2020 Fiscal Year Research-status Report
新規低弾性チタン合金であるTi-Nb-Sn合金を用いた骨折治療インプラントの開発
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20K18051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上村 雅之 東北大学, 大学病院, 助教 (80758962)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ti-Nb-Sn合金 / プレート / 骨折治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
市販のAOミニDCP 8穴プレート(Ti-6Al-4V合金製、ヤング率110GPa)と同型のプレートをTi-Nb-Sn合金(ヤング率49.1GPa)で作成し、日本白色家兎(オス)を用いた脛骨骨折モデルにおいて骨折治癒過程と骨強度の違いを評価した。マイクロCTによる画像評価を術後4週の時点で行い(各群5匹)、3点曲げ試験による力学的評価を術後4週(各群7匹)・8週(各群7匹)の時点で行った。マイクロCTを撮影して仮骨の体積と仮骨の骨密度を計測し、MPR像で仮骨架橋幅を計測した。3点曲げ試験で最大荷重と剛性を計測した。 マイクロCTで評価した仮骨架橋幅はTi-Nb-Sn群で有意に高い値となった(CBW: 59.7 ± 5.7 mm vs. 24.0 ± 5.7 mm, p = 0.0012; 髄外CBW比: 41.6 ± 11.6% vs. 25.0 ± 11.6%, p = 0.33; 髄内CBW比: 86.4 ± 6.0% vs. 18.5 ± 6.0%, p < 0.001)。仮骨体積と骨密度に有意差はみられなかった。術後4週時点の3点曲げ試験において、最大荷重はTi-Nb-Sn群で有意に高い値となった(121 ± 12 N vs. 83 ± 12 N, p = 0.05)。一方、剛性に有意差はみられなかった(150 ± 25 N/mm vs. 92 ± 25 N, p = 0.13)。術後8週時点の3点曲げ試験において、最大荷重および剛性のいずれにも有意差はみられなかった。 以上の結果から、Ti-Nb-Sn合金製プレートはウサギ脛骨骨折モデルにおいて骨切り部の骨片間に適切なmicromotionをもたらし、骨癒合早期における仮骨の成熟と強度の再獲得を促進したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ウサギを用いた実験によってTi-Nb-Sn合金製プレートの骨折治癒促進効果を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究に用いたプレートは、スクリューによる圧着を介した摩擦力で骨折部の固定力を得るタイプ(コンベンショナルプレート)であった。近年、スクリューヘッド部分とプレートホールがねじ山機構によって固定され、従来よりも角度安定性に優れるロッキングプレートの臨床使用が広まっている。ロッキングプレートにおいては、Ti-Nb-Sn合金の低ヤング率という特性が骨折治癒をさらに促進することが期待されるため、今後はTi-Nb-Sn合金でロッキングプレートを作成し、同様のモデルによる骨折治癒の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン開催となり、学会参加にあたって旅費が発生しなくなったため。翌年度の動物実験における物品費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)