2021 Fiscal Year Research-status Report
中高年齢者における膝関節X線画像上の関節裂隙の定量的評価とその縦断変化の日米比較
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20K18054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 朋子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40793089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 画像検査 / 関節裂隙 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝X線画像の関節裂隙の変化は,臨床治験のアウトカムとして推奨されているが,人種間の違いが存在する可能性がある。また,その測定については自動化,半自動化システムが報告されているが,研究間で結果を比較するためには,同じシステムでの計測が必要だと考えられる。本研究は,日本の一般住民を対象としたコホート研究であるROAD studyなどで用いられている膝X線画像読影システムKOACADを用いて,米国の変形性膝関節症のコホート研究である、Osteoarthritis Initiative(OAI)の膝X線画像上の関節裂隙などを計測し,日米間の比較を試みるものである。 令和2年度は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)のNIMH Data Archiveのから、OAIの参加者約5000人の、ベースラインと12 、24、36、48か月フォローアップ時のX線画像ファイル、およびクリニカルデータをダウンロードした。画像データは個人ごと、さらに部位ごとにフォルダに格納されていた。読影システムで連続して読影が行えるよう、フォルダ構造の変換プログラムを作成し、必要な両膝X線画像の抽出を行った。ベースライン時のX線画像について読影システムKOACADを使い、膝内外側関節裂隙、骨棘面積、femorotibial angle (FTA)の測定を開始した。約750人について読影を行い、データベースを作成している。 令和3年度は,KOACAD読影システムによるX線画像計測に予想よりも時間を要することが判明したため,読影に関して一人に業務委託を行った。読影方法についてのマニュアルを作成し,テスト読影後に50膝の読影を行い,検者内,検者間の信頼性が許容範囲内であることを確認した。また,計測は右膝のみの膝内外側関節裂隙とし,ベースライン時のX線画像について,引き続き計測を行い,2080人について計測を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
KOACAD読影システムによるX線画像計測に予想よりもかなりの時間を要することが判明した。そのため,読影に関して一人に業務委託を行い,読影マニュアルの作成や,ミーティングを行し,検者間の信頼性が許容範囲となるよう,試験読影と結果の分析を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には,ベースラインと36ヶ月のX線画像の計測を行う予定とする。重点的に読影するサンプルの選択についてさらに検討を加え,可能ならばデータマネジャーを雇用し,画像ファイルの分類を検討する。3年間の最小関節裂隙の変化量についての分析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で,国際学会(OARSI 2021)がweb開催となり,旅費が不要となり,次年度使用額が生じた。 読影システムを用いた計測に予想よりもかなりの時間を要するため,読影に関してもう1人の雇用を行い,また重点的に読影する画像ファイルの整理のため,データマネジャーの雇用も検討している。
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