2022 Fiscal Year Research-status Report
軟骨再生での間葉系幹細胞の増殖機序の解明と増殖を制御する関節内完結型治療法の発案
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20K18055
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
日山 鐘浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (90815789)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 軟骨 / 機序の解明 / 間葉系幹細胞 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットに対して、モノヨード酢酸ナトリウムを用いて、炎症誘導時に滑膜内のMSCsが炎症誘導因子投薬後1から4日目に強い分裂、増殖する事を見出した。そこで、今回、ラット(Wistar rat,雄,8週齢)の膝に低用量(0.2mg)のモノヨード酢酸ナトリウムを膝関節内ん投与して、炎症を惹起し細胞分裂をのモデルを作成する事とした。更に分裂時にDNA に取り込まれる、チミジン・アナログ蛍光染色剤のClduを炎症誘発後1、2日目に投与し、続いてIduを炎症誘発後3,4日目に投与し、細胞分裂を時系列的に評価した。1,2日目に表層の細胞が分裂し、その分裂した細胞のうち表層に近い細胞が3,4日目にも連続して分裂する事を見出した。表層にある細胞が一部はその場にとどまり分裂を繰り返し、一部は深層に移動していた。一方で深層に存在した、或いは深層に移動してきた細胞は分裂が弱かった。そして、滑膜MSCsは表層にある場合のみ強く分裂していることが分かった。つまり、MSCsの細胞分裂が繰り返す際には細胞因子と環境因子が組み合さって選択されていることが示唆された。なお、上記結果に対して、ClduとIduの投与順を逆さにし、相互作用が無い事の確認を行ったが同様の結果が得られた。また、炎症反応前にClduとIduを投与することにより今まで分かっていなかった、ClduとIduの膝内での活性期間を明らかにした。上記により得られている増殖パターンの確からしいを確認された。その後分裂にてチミジン・アナログ蛍光染色剤のClduを吸収した細胞のフローサイトメトリーを用いた、ソーティング解析を試みたが、チミジン・アナログ蛍光染色剤の発色の為の抗体により細胞破壊が強く、フローサイトメトリーによるソーティング後にリアルタイムPCRを行ったところ、cDNAの十分なクオリティを達成する事は出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症の蔓延により、臨床業務が増大したことと、研究室への学外勤務者の立ち入り制限により、一部予定していた研究を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット(Wistar rat,雄,8週齢)の膝に低用量(0.2mg)のモノヨード酢酸ナトリウムを膝関節内ん投与して、炎症を惹起し細胞分裂をのモデルを作成する。その後、滑膜表層から強い拡がりを見せる優勢幹細胞群と滑膜表層を離れ狭い拡がりの劣勢幹細胞群をマイクロダイセクションにて分けてRNAを採取、RNAシークエンス解析をおこなう。。
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Causes of Carryover |
コロナ感染により研究室への外部者の入室が制限され、延期した手術があり、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)