2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫を標的としたエクソソーム様細胞外小胞化ナノマテリアルを応用したDDS開発
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20K18058
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
傍島 淳 信州大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00770760)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エクソソーム / カーボンナノマテリアル / ドラッグデリバリーシステム / 骨芽細胞 / ナノフェライト |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンマテリアルは骨組織に非常に親和性が高く、整形分野において骨組織の修復に非常に適したバイオマテリアルである。そして、細胞に取り込まれるナノサイズではその機能にドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリア機能も付加することが可能である。本申請では我々が発見した現象であるカーボンナノホーン(CNH)のエクソソーム様細胞外小胞体(ELECV)化を基盤技術として、エクソソームの組織特異性とCNHの薬物担持能力、及び骨修復能力を活かしたDDSの基盤を開発する。 前年度にナノマテリアルのELECV化が貪食細胞以外で起こるかをMC3T3-E1骨芽様細胞を用いてCNHを取り込ませ、このCNHが細胞内を経由してELECVとして分泌される事を形態学的に確認でき、培養細胞によるナノマテリアルのDDS化が可能である事が明らかとなった。 今年度はDDS化処理したCNHが培養細胞内でELECV化できるかを検討した。この実験にはCNHにビスホスホネート製剤(BP)を間接的に結合させたものを使った。BPは通常、破骨細胞にのみ作用する特異性の高い骨粗鬆症治療薬であるが、BPを結合させたCNHを骨芽細胞に取り込ませたところ、細胞毒性を生じる事が確認された。この問題をクリアしないと、培養細胞で治療薬をナノマテリアルに結合した状態でELECV化する事が出来ない事から今後の重要な課題である。 一方で、前年度にスタートさせたナノフェライトによるがんの温熱療法に使えるELECV化の検討では用いた細胞によって異なる結果となった。骨芽細胞ではナノフェライトが取り込まれ、その後、ELECV化されることが確認できたが、乳癌細胞ではほとんどナノフェライトが取り込まれなかったため、ELECV化できなかった。この結果はELECVに向く細胞と向かない細胞がある事を示しており、この違いを明らかにする必要がある。
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Research Products
(2 results)