2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K18059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 宏彰 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70710101)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨形成 / R-spondin / 骨芽細胞 / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
骨芽細胞株MC3T3を三次元培養し、リコンビナントヒトタンパク質rhRspo2とrhBMP2添加に伴うRNA発現量の違いをリアルタイムPCRで確認した。ALP、Osteocalcin、Runx2、OPN、Osterix、BSPなどの骨形成に関連する因子は、BMP2添加により濃度依存性に発現量が増加していた。またRspo2を加えることで、さらなるRNA発現量の増加を認め、BMP2とRspo2は相加的に骨形成を促している可能性が示唆された。 また、Vivoでは大腿骨欠損モデルを作成した。10週齢の300±350 gのWistarラット雌12匹を使用した。ラットを麻酔下に、無菌状態で左大腿骨後側部を切開し、大腿筋を切断した。大腿骨の中央部を露出させ、外固定具と直径1.4 mmの4本のピンを用いて固定し、骨幹部の5 mm長の部分をマイクロカッティングソーで骨膜と一緒に除去した左大腿骨中軸内の骨欠損部(5mm)にPEEK製ケージを移植し、外固定具で安定性を維持した。PEEKケージには、SPG-178ハイドロゲル(200μl)とリコンビナントヒトタンパク質rhRspo2とrhBMP2のいずれか、またはrhRspo2とrhBMP2の両方を充填した。その後、ラットは28日間飼育した。ヘマトキシリン・エオジン染色、ALP染色、Alizarin Red染色、Von Kossa染色を行い、BMP2投与群で有意な骨形成を認めた。Rspo2単独投与では、骨形成は僅かであったが、BMP2にRspo2を加えることで、BMP2単独に比べて良好な骨形成を認めた。 研究計画の大きな変更を行うことなく、次年度も本課題を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度にコロナウイルス蔓延に伴い、動物の搬入ができず、動物実験の遅れが生じたため、若干の計画の遅れがあり、今年度は移植後28日目までの評価を行った。年度当初に計画していた動物実験を行うことができ、骨形成も確認できた。現在移植後56日の解析を進めており、マイクロCTでの骨形成評価の準備を進めており、この点においても順調に計画どおり実験は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在移植後56日の解析を進めており、マイクロCTでの骨形成評価の準備を進めている。 研究計画の大きな変更を行うことなく、次年度も本課題を進める予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナウイルス蔓延に伴い、海外学会での情報収集を行うことができず、次年度使用額が生じた。また、前年度にコロナウイルス蔓延に伴い、動物の搬入ができず、動物実験の遅れが生じたため、若干の計画の遅れがあるため、次年度に使用額が生じた。 今年度の動物実験に残額を使用して実験を更に進めると同時に、学会での情報収集などを積極的に行い、本研究結果の妥当性を検証するために経費を使用する予定である。
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