2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18059
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 宏彰 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70710101)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度まで行った、Vitroでの骨形成能に関する実験の定量化を行った。網羅的な発現遺伝子の解析では、Rspo2を投与することで、血管新生に関する遺伝子の発現上昇を認めた。大腿骨偽関節モデルラットに自己組織化ペプチドを移植し、骨形成能を評価した。本研究では、自己組織化ペプチド内にrhRspo2とrhBMP2を適量含有させて移植し4週と8週後における骨再生能を評価した。BMP2投与でも骨形成は旺盛であったが、Rspo2を投与することで、より骨形成が促された。再生能は、新生骨をμCTで継時的に画像評価し、骨梁構造について評価を行っている。骨再生機序を川本法で作製した凍結切片やパラフィン切片を用い、HE染色、Villanueva Goldner stain染色、免疫組織化学染色でCollagen Type Iたんぱく質の量を評価し、Rspo2を投与することで、骨成熟に関する因子の増加を認めた。また骨折部組織を回収して、定量的RT-PCRを行い骨分化関連遺伝子や血管新生関連遺伝子(VEGF, VEGFR-2, Angiopoietinなど)の発現を定量評価したが、BMP2単独に比べて、Rspo2を投与することで、血管新生が移植後初期から促されていた。さらに、これらの実験方法や血液検査で周囲組織の炎症や腫瘍発生などの副作用も評価したが、明らかな副作用と思われる高度な周囲組織の炎症や腫瘍形成は認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス蔓延により資材調達が難しく、昨年度までの実験計画が遅れて進行していた。今年度のラットに関する実験は概ね順調に進んでおり、今後定量評価を行うと同時に、骨形成蛋白に関する解析を追加予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ラット大腿骨欠損モデルでの組織学的な定量評価を行い、骨形成や血管新生が促された理由の裏付けとなる、シグナル伝達を明らかとする。令和5年度中に論文化を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
前年度までの実験計画が、コロナウイルス蔓延による資材調達の遅れのために、遅延しており、今年度の計画が当初の予定どおりは行えなかった。そのため、動物実験に関する若干の遅れが生じたため、令和4年度の未使用額が残った。未使用額に関しては、動物実験の定量化、生化学実験の補足データ作成と論文化のための費用として、次年度に使用する。
|