2022 Fiscal Year Annual Research Report
PSMA標的ペプチド-MRI造影剤による前立腺癌特異的MRI画像診断法の開発
Project/Area Number |
20K18082
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小島 由太 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (00792334)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | MRI / PSMA |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺特異膜抗原(PSMA)に結合低分子リガンドと放射性同位元素によるPSMA-PETが実用化され、新たな画像診断モダリティーによる前立腺癌診療のパラダイムシフトが起きている。放射性同位元素に起因する被爆の問題から、さらに低被ばくかつ汎用性が高い前立腺癌特異的画像診断モダリティーが必要である。本研究では、PSMAに特異的に結合する 7 残基のペプチド配列(L7 ペプチド)にガドリニウム(Gd)錯体を結合させた造影剤を合成し、前立腺癌特異的 MRI画像診断に使用可能な新規薬剤の開発を試みる。令和2年度は、L7ペプチドの毒性試験を実施し、250mg/kg以上の投与でマウスが死亡することを確認した。さらにL7ペプチド-Gd錯体(L7-Gd)の合成および皮下腫瘍マウスモデルにおけるL7-Gd投与後のMRIによるモニタリングを実施し、L7-Gdが腫瘍組織に集積し、造影効果を認めることを確認した。令和3年度は、抗がん剤治療による治療効果をMRIでモニタリングする計画をであったが、MRI設置施設における遺伝子組み換え動物実験の施設整備が当初の予定通り進まず治療効果モニタリング実験の実施ができなかった。また前年度に引き続き骨転移腫瘍モデルの構築を検討したが、モデルの構築ができなかった。このため、PSMA標的治療効果モニタリング実施が困難と判断し、令和3年度後半から、腫瘍血管を標的ペプチドのファージスクリーニングを開始し、前立腺腫瘍に集積するD型アミノ酸ペプチドを同定した。得られたペプチドと抗がん剤MMAEのペプチド薬物複合体の前立腺癌における抗腫瘍効果を検討した。令和5年度後半にMRI設置施設の遺伝子組み換え動物実験施設整備が完了となる見込みであり、本研究期間終了後に皮下腫瘍モデルでペプチド薬物複合体の抗腫瘍効果のMRIモニタリング検討を継続する。これらの研究成果の発表を検討している。
|