2020 Fiscal Year Research-status Report
尿中癌由来エクソソーム内包miRNAの網羅的解析による腎癌診断バイオマーカー探索
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20K18091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
王 聡 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70783893)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エクソソーム / 腎癌 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
腎癌の早期診断や治療効果モニタリングを可能とする有用な血液バイオマーカーは存在しない。エクソソームは体液中に安定に存在し、分泌細胞の情報を内包しており、liquid biopsyのリソースとして注目されている。近年、癌細胞はmiRNAを豊富に内包するエクソソームを分泌しており、そのmiRNAを介して癌微小環境に影響を及ぼすことが明らかとなっている。本研究では、腎癌患者血中とは異なる内容物を有する尿中エクソソームが存在する最近の知見に着目し、手術組織検体および尿サンプルからそれぞれエクソソームを単離し、内包miRNAの網羅的マイクロアレイ解析により、健常者尿および正常腎部位と比較し、腎癌患者尿および腎癌組織検体由来エクソソーム中に共通して見られた癌特異的な発現変化を示すmiRNA候補を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
網羅的マイクロアレイ解析を行うことにより、健常者尿および正常腎部位と比較し、腎癌患者尿および腎癌組織検体由来エクソソーム中に共通して見られた癌特異的な発現変化を示すmiRNA候補を絞れたが、他の多数の臨床検体を用いて、より簡便な定量的PCR法にて検出定量を行い、バイオマーカーとしての有用性について検討している段階において、臨床検体の蓄積が予想より遅く、やや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体の蓄積を待ちつつ、さらに今後細胞実験に向けて、絞れた候補miRNAについて、細胞株上清からエクソソームを抽出し、miRNAが内包されているかどうかを確認していく予定。細胞上清中から単離されたエクソソーム内包miRNAである条件を満たす候補miRNAから優先的に、細胞実験を行っていく計画をしている段階である。
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Causes of Carryover |
細胞実験および動物実験も視野に入れて、臨床検体の蓄積を待っている間に、in vitroおよびin vivoの実験も開始する予定があるためである。
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