2020 Fiscal Year Research-status Report
新規腎性貧血治療薬による治療抵抗性腫瘍内マクロファージの極性変更と分子機能解析
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20K18097
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山口 一行 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (80848317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マクロファージ / がん / PHD阻害薬 / 低酸素誘導因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍内は低酸素環境下にあり、低酸素誘導因子 (HIF) が転写因子として恒常的に活性化し、がんの進展や転移に関与する。また、腫瘍内に存在するマクロファージ (Mφ) は腫瘍の増殖や転移を促進し、がん患者の生命予後を悪化させる一方、正常な自然免疫細胞として作用する場合には腫瘍進展の抑制に関与するとされる。申請者らは腫瘍移植モデルマウスにプロリル水酸化酵素阻害薬 (PHDi) を投与すると、腫瘍内MφのHIFが上昇し、腫瘍増大が抑制されることを明らかにしている。しかし、なぜ腫瘍抑制が生じるのか、その詳細機序は不明のままである。そこで本研究は、「PHDiによる腫瘍内MφのHIFの活性化が、腫瘍増大を抑制する詳細な機序を解明すること」を目的とし、Mφ特異的なHIF遺伝子改変マウスを用いて腫瘍内MφにおけるHIFの機能解析を行う。腫瘍増殖抑制に関わる腫瘍内Mφ中のHIF下流分子の機能を明らかにすることで、新規抗悪性腫瘍薬の創出に繫がると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画書通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り研究計画書通りに進行予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症により旅費などの支出が減少し、受託解析の費用が予定より抑えられたため。
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