2022 Fiscal Year Annual Research Report
陰茎癌における発癌メカニズムおよびヒトパピローマウイルスの関連の解明
Project/Area Number |
20K18099
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
前川 滋克 岩手医科大学, 医学部, 特任講師 (40774039)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 陰茎癌 / ゲノム / ヒトパピローマウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
陰茎癌2例とそれに対応する症例の正常検体からそれぞれDNAを抽出し、全ゲノムシークエンスを行った。陰茎癌2例のゲノム異常は81103個みつかり、1例当たりでは43416個と37687個であった。そのうちタンパク質コード領域内の異常は306個(1例当たり201個および105個)であった。フレームシフトが起こる塩基の挿入が2個(1個、1個)、フレームシフトが起こる欠失が2個(2個、0個)、フレームシフトが起こらない欠失が4個(3個、1個)、ストップコドンに変わる変化が5個(5個、0個)であった。ゲノム構造異常は275か所でみつかり、1症例当たり182、93か所であった。コロナ禍で陰茎癌症例の紹介が減ったが、申請者は可能な限り岩手県内での手術に立ち会い検体を収集してきた。2023年5月の時点で計8例の陰茎癌検体を収集出来ており順次、理化学研究所に送る予定である。計10例に達したら全ゲノムシークエンスを行う予定である。 陰茎癌と同じく希少癌である透析腎に発生した腎癌のゲノム解析を行い論文掲載された(Genomic features of renal cell carcinoma developed during end-stage renal disease and dialysis. Hum Mol Genet. 32: 290-303.)この研究において、透析腎癌は通常腎に発生する腎癌と変異パターンが異なっていることが分かった。さらに、ミトコンドリアDNAの変異が透析期間と相関し顕著に多くなっていることを示した。また、進行性前立腺癌の5-10%と少数でBRCA1/2の異常が伴い、同症例ではオラパリブの適応であるが、オラパリブ治療前後の遺伝子変化について検討した研究はなく、治療前後の前立腺組織及び転移巣組織由来DNAをターゲットシークエンスを行った。その結果を現在解析中である。
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[Journal Article] Genomic features of renal cell carcinoma developed during end-stage renal disease and dialysis2023
Author(s)
Todd A Johnson, Shigekatsu Maekawa, Masashi Fujita, Jisong An, Young-Seok Ju, Kazuhiro Maejima, Yuki Kanazashi, Ryosuke Jikuya, Yuki Okawa, Shota Sasagawa, Ken Yagi, Yasushi Okazaki, Naoto Kuroda, Ryo Takata, Wataru Obara, Hidewaki Nakagawa
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Journal Title
Hum Mol Genet
Volume: 32(2)
Pages: 290-303
DOI
Peer Reviewed