2020 Fiscal Year Research-status Report
新規ARシグナル経路制御因子JMJD1Cの前立腺癌における機能解析と臨床応用
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20K18102
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
福岡屋 航 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30814975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン受容体 / JMJD1C |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌は主にアンドロゲン受容体シグナルに駆動され増殖・進行するが、近年の報告から内分泌療法抵抗性を示す進行前立腺癌においてもその特徴が保持されていることが明らかにされている。内分泌療法下にアンドロゲン受容体シグナルを促進する制御因子の解明がこの知見から重要視されているが、その詳細は未だ不明な点が多い。他方、アンドロゲン受容体シグナル制御因子としての機能を有するヒストン脱メチル化酵素であるJumonji domain-containing 1C (JMJD1C)が前立腺癌において通常前立腺組織と比較し発現が上昇して、アンドロゲン受容体シグナル発現と相関することが示唆されており、更なる機能の解明が期待されていた。本研究は、ヒト前立腺癌皮膚転移組織のマウス皮下移植モデル (JDCaP)を用いてJMJD1Cの前立腺癌における発現と内分泌療法抵抗性との関係、およびその機能を解明するために実施された。去勢感受性JDCaPおよび去勢抵抗性 (内分泌療法抵抗性)JDCaP (JDCaP-CR)を用いた検討から、先行研究と同様にJMJD1Cは去勢感受性前立腺癌細胞 (JDCaP)で一様に発現していることが判った。加えて、JMJD1Cは内分泌療法抵抗性前立腺癌細胞 (JDCaP-CR [そのサブライン:JDCaP-CR2M、JDCaP-CR4M、JDCaP-CR2F、JDCaP-CR4F]) (Honda et al., Prostate, 2019)においても同様に一様な発現を示すことが明らかになった。本解析から、JMJD1Cは内分泌療法の治療経過を超えて保存された分子であることが判った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたin vitroの実験が2020年3月頃から変化した社会情勢のため実施困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により、標的分子が前立腺癌組織に内分泌療法経過を超えて広く発現が維持されていることが判ったため、その発現のウエスタンブロット法等を用いた定量化とメカニズム解明を進める。
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Causes of Carryover |
当初、in vitro系の実験開始を目的に予算を計上していたが、実施出来なかったため次年度使用額が生じた。
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