2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K18114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 和明 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10648017)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 補体制御因子 / 腎 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、腎移植T細胞関連型拒絶反応において、尿細管における補体制御因子の低下が移植腎予後に関連することを報告してきた。補体制御因子の低下する原因として、拒絶反応の際に上昇する炎症性サイトカインの影響を検証するため、尿細管細胞株とIL-6や可溶性IL-6 receptorを加えて培養し、補体制御因子であるCD46、CD55、CD59の発現についてreal time 定量PCRで検討した。 CD46は48時間までの培養の結果はばらつきが認められ、結果が安定せず、さらに条件の設定が必要と考えられた。CD55の発現はIL-6や可溶性IL-6 receptorを加えることで、48時間まで培養するとIL-6の用量依存的に発現の低下を認めた。また、抗IL-6 receptor抗体を加えることで、発現低下が抑制されたことから、IL-6がCD55の発現低下に関与したことが示唆された。さらにCD59の発現についても検討したところ、CD55と同様の結果を認めた。 CD46の発現がIL-6投与で安定した結果が認められなかったことから、IL-6+IL-4+IL-2で培養を行うと24時間後から発現の低下が認められた。以上から様々な炎症性サイトカインがCD46の発現低下に関与していることが示唆された。 補体制御因子低下の要因として、炎症性サイトカインが関与しておき、すでに抗炎症性サイトカイン抗体製剤も使用されているものもあり、今後新たな拒絶反応の治療ターゲットとなりうると考えられた。
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