2022 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞表面バイオマーカーGPR87を標的とした新規治療の開発
Project/Area Number |
20K18118
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
土肥 洋一郎 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60867290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GPR87 |
Outline of Annual Research Achievements |
泌尿器癌領域において分子標的療法や免疫療法に代表される標的治療の進歩によって大きなベネフィットがもたらされた。しかし長期治療効果を得られるのは少数の患者で、これらの治療標的は十分満足できるものではない。 そのため新たな治療標的の同定や新たな治療法の開発は急務である。これまでに我々が研究してきたGPR87(G protein-coupled receptor 87)は細胞表面に位置し、細胞増殖に関与するレセプターで、多くの悪性腫瘍に特異的に発現している。これらの特徴は、GPR87が理想的な標的の性質を示し、遺伝子治療、低分子試薬および免疫治療に取り入れる可能性を有している。我々の研究は「腫瘍細胞表面バイオマーカーGPR87を標的とした泌尿器癌の治療戦略」を構築することであった。遺伝子導入を目的として増殖/非増殖のいずれの細胞にも遺伝子導入が可能で、免疫原性が低く、動物個体への導入にも適しているためアデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)に着目した。既に膀胱癌細胞株においてAd-sh GPR87ベクターにより証明した有効なsiRNA配列のshRNApAAV-CMV Vectorにクローニング、トランスフェクション後培養させ、shRNA発現アデノ随伴ウイルスベクター(AA-shsiGPR87)を作製した。しかし、in vitroでこのAAVの膀胱癌細胞株RT112への導入効率が20%程度と十分ではないことが明らかになった。preclinical modelとはいえ、臨床応用には満足できるものではない。そこで、よりよい導入効率を目指しexosomeに着目し、AAV-cotaining exosomeを精製を行い、通常のAAVと比較して導入効率の増加を証明した。
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