2020 Fiscal Year Research-status Report
補体B因子ノックアウトラットを用いた自己免疫反応による前立腺肥大症増殖機構の解明
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20K18120
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
秦 淳也 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00769606)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 / 補体 / B因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Casシステムを用いて、B因子ノックアウトラット作成を行なった。まず、B因子のガイドRNA(gRNA)を設計した。その設計に基づいたgRNA、Cas発現ベクターを調製し、続いて作成した発現ベクターをFisher系ラット受精卵にマイクロインジェクションし、これを仮親の卵管へ移植した。目的の変異が起きた産仔のスクリーニングを行い、目的の変異の導入が確認されたものを抽出し、繁殖を進めてB因子単独欠損(-/-)ラットを作成した。スクリーニングには、産仔の耳組織を用いて、PCRもしくはシークエンスにより行なった。B因子単独欠損(-/-)ラット、野生型ラットに対して、ラット胎仔尿生殖洞を移植することで、前立腺肥大症モデルラットを作成した。移植3週間後に、肥大前立腺組織を採取して、重量や分子生物学的評価を行なった。その結果、B因子欠損ラットでは、野生型ラットに比較して前立腺重量が有意に減少していた。さらに、組織学的評価では、特に前立腺間質成分の増殖が抑制されていた。さらに、Western blottingの結果、補体各成分(C1q, C3, MBL, C5b-9)の発現が、B因子欠損ラットで有意に低下していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、主に、B因子ノックアウトラットの作成とそのスクリーニングを行なった。ノックアウトラットの繁殖は概ね順調に進んでおり、分子生物学的な解析も、当初の進捗状況に準じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、引き続きノックアウトラットの繁殖を進めつつ、前立腺肥大症モデルラットの作成を行い、分子生物学的な解析を進める予定である。加えて、抗ラットB因子抗体の作成も並行して行なっていく。
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Causes of Carryover |
初年度の実験実施は、主にB因子ノックアウトラットの作成とそのスクリーニングに費やした。分子生物学的な解析は、まだ途中経過であり、次年度はその分の抗体購入費が必要と予想される。残額は、その抗体購入費に使用する予定である。
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