2020 Fiscal Year Research-status Report
老齢マウスの脳幹橋バリントン核の機能解析と加齢性下部尿路機能障害の発生機序解明
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20K18121
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
伊藤 悠城 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (90766619)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バリントン核 / マウス / 加齢 / 排尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、『老齢マウスを用いて、排尿支配の神経核であるバリントン核の機能解析を行い、加齢に伴う下部尿路機能障害の発生機序を明らかとし、その先に新たな創薬ターゲット探索ならびに新規治療方法確立を目指す』である。 2020年度では、研究費獲得者がこれまで留学先の英国で行ってきた光遺伝学および薬理遺伝学実験の再現を横浜市立大学で行うことに専念した。具体的には、CRH-ires-Creノックインマウスの購入(Jackson Laboratory)、繁殖を行い、現在安定的な繁殖環境を構築した。次に、Cre依存性アデノ随伴ウイルス(pAAV-EF1a-double floxed-hChR2(H134R)-mCherry-WPRE-HGHpA および AAV2-hSyn-DIO-hM4Di-mcherry)をAddgene社より購入し、両ウイルスの脳内注入実験を行い、免疫染色の結果、標的である橋バリントン核CRH陽性ニューロンにおける選択的なベクター導入を確認した。また光遺伝学に必要である、青色LED照射システム(DORIC社)を購入し、今後同マウスを用いての機能実験を徐々に開始している。現時点では、12か月齢の老齢雌性マウスにおけるバリントン核CRH陽性ニューロンの青色LEDによる光遺伝学的刺激では、コントロールの若齢群と比較して、光刺激に対する膀胱収縮の反応発現速度はほぼ同等であった。しかしながら、光遺伝学的刺激に伴う膀胱収縮力は、老齢群において軽度増大していた。ただし老齢群ではデータのばらつきが多い印象があり、今後の実験データの蓄積が必須と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はコロナウイルスの影響により動物実験の遅延などがあり、実験計画に支障が出ていたが、その後は大学が概ね通常運用となり、同実験計画も比較的順調に進んでように感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
老齢マウスの飼育および管理がネックとなる実験計画と感じている。老齢マウスの神経活動測定が本計画の肝となると考えているが、老齢マウスの耐術能および耐実験能に疑問を抱く指摘も受けており、より低侵襲での計画進行が必要と感じている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスによる実験計画の多少の遅延および学会参加に伴う出費が減少したためです。 コロナの感染状況を鑑みての判断となりますが、実験推進はもちろんのこと、学会での発表機会を増す予定です。
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