2022 Fiscal Year Research-status Report
去勢抵抗性前立腺癌への革新的挑戦 ~AR依存性ホルモン感受性再獲得因子の導入~
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20K18127
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
高原 健 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (90418939)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的] 2015年包括的OMICSデータあるいは申請者らのこれまでの報告に基づき、AMACR(a-methylacyl-CoA racemase)、AR(androgen receptor)、ARV7に焦点 を絞り、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)との関連性を解明する。また新たにCRPC細胞とアミノ酸トランスポーターであるASCT2(SLC1A5)との関連性も検討に加える。 [方法] ヒト前立腺癌細胞株であるLNCaP(CSPC細胞株)と、ARバリアントであるARV7発現を有する22Rv1(CRPC細胞株)を用い、in vitroでASCT2を標的としたsiRNAによる発現抑制療法と、ARのantagonistであるEnzalutamide(Enz)を使用した実験を行い、単独、または併用での細胞増殖形態やWestern Blotting(WB)を用いたタンパク発現レベルの解析を行った。細胞培養は、ウシ胎児血清(FBS)、チャコール/デキストラン処理を行ったFBS(CSS)を含むRPMI培地を使用した。 [結果] LNCaPにおいて、FBS培地下でsiRNAを用いたASCT2抑制療法では、コントロール群と比較し、細胞増殖能の著明な低下を認めたが、WBにおいてAR発現の低下は認めなかった。LNCaPにAR antagonist であるEnzを付加した実験系では、AR発現の低下に伴い、LNCaP細胞増殖能の著明な低下が認められたが、ASCT2発現に影響を及ぼさなかった。これらの結果を踏まえ、LNCaPにおいてASCT2抑制とEnz付加による併用療法を施行したところ、細胞増殖能は、単独療法と比較し有意に低下し、それに伴い、ARの更なる発現低下を認めた。ASCT2抑制とEnzの相乗効果により、LNCaPの細胞増殖能が、さらに抑制される可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの研究結果が順当に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きCRPC細胞株である22Rv1を用い、同様のASCT2抑制療法を行い、その細胞増殖形態とAR、ARV7発現についてWBを用い検討する。
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Causes of Carryover |
コロナで使用が制限され、次年度に繰り越す予定
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