2020 Fiscal Year Research-status Report
性分化疾患の性腺の免疫組織染色と遺伝子解析を用いた新規評価法の開発
Project/Area Number |
20K18129
|
Research Institution | Osama Woman's and Children's Hospital |
Principal Investigator |
松山 聡子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 泌尿器科・診療主任 (70800431)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 性分化疾患 / 性腺組織 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:正常新生児ではOCT3/4やTSPY陽性細胞はほとんどみられないが、Disorders of sex development(DSD)症例では、delayed maturationによりみられる場合もあると報告されている。しかし、乳幼児期(特に乳児期)を対象とした報告は少なく、明らかになっていない。 対象と方法:乳幼児期にambiguous genitalia を呈し、性腺生検/摘出を行った73例を対象とした。135性腺(両側62、片側11)において検体が得られた。免疫組織学的染色を用いて、性腺組織を評価した。 結果:45,X/46,XY mosaicismの性腺組織はtestis 9、dysplastic testis 5、streak testis 10、streak gonad 22、gonadoblastoma 2であった。testis成分をもつ24性腺のうち、18性腺でOCT3/4陽性、TSPY陽性であった。streak gonad 22性腺のうち、18性腺でSGWECを認めた。さらに4性腺でOCT3/4陽性、10性腺でTSPY陽性であった。CD117は陰性だった。Ovotesticular DSDでは、23性腺でtestis成分を認め、testis 10、hypoplastic testis 3、dysplastic testis 10であった。6性腺でOCT3/4陽性、1性腺でTSPY陽性であった。20性腺でovary成分を認めた。46,XX testicular DSDの性腺組織はtestis 5、dysplastic testis 1であった。全例で不整な精細管を認め、OCT3/4陽性でTSPY陰性であった。その他27例の性腺はtestisであった。 結論: DSD症例の乳幼児期の性腺組織は、大部分のtestisでOCT3/4陽性細胞を認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画1年目は、性腺生検標本の免疫組織学的解析を行う予定としていた。免疫組織学的解析は順調に終了したと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年には、解析対象症例の抽出、2022年には分子遺伝学的解析を行う予定としていた。予定どおり、2021年には解析対象症例の抽出を行う。
|
Causes of Carryover |
遺伝学的解析に必要な物品の準備ができなかったため、次年度以降に持ち越した。 申請者自身が免疫染色などを行うことで、人件費が節約できた。 学会がオンラインとなり、費用の削減につながった。
|
Research Products
(7 results)