2022 Fiscal Year Annual Research Report
HOTAIRによる腎癌悪性化メカニズムの探索と治療への応用
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20K18131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
方山 博路 東北大学, 大学病院, 助教 (90466558)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎癌 / IGFBP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の先行研究では、HOTAIR-IGFBP2経路が腎癌の悪性化、特に遊走能に関与するという知見を得ており、その機序を探索する目的に実験を行った。先行研究で明らかにした知見のうち、HOTAIR過剰発現で誘導されるタンパク質IGFBP2およびCPVLに着目して研究を行った。IGFBP2-Flag, CPVL-Flag 細胞を樹立し、免疫沈降法を用いた実験を行い、電気泳動で得られたバンドを切り出して、IGFBP2およびCPVLに結合するタンパク質を質量分析を用いて同定した。IGFBP2と特異的に結合するタンパク質CMF1(Cancer Malignancy Factor1)を同定し、蛍光顕微鏡鏡による観察で、IGFBP2およびCMF1がどちらも分泌タンパクに特有な分布を示すことを確認した。CMF1は他の癌種において、増殖能には変化がないが、遊走能が亢進するという報告もあり、先行研究と矛盾しない結果となった。また、IGFBP2はエクソソーム内に分泌されることが報告されており、実際にIGFBP2が分泌タンパクとして矛盾しない分布を示すことは蛍光顕微鏡で確認できた。 IGFBP2と特異的に結合するタンパク質(CMF1)をプロテオーム解析により同定することができた。また、IGFBP2が分泌タンパクであることも証明できた。先行研究では、Non-coding RNA であるHOTAIRがIGFBP2と関連して癌の悪性化、特に遊走能に関与するところまでを証明したが、今回の研究によって、IGFBP2がどのように癌の悪性化に寄与するのか、プロテオーム解析を用いてより深い知見を得ることができた。 今後IGFBP2とCMF1の関連を調査することで、新規治療標的につながる可能性がある。
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Research Products
(1 results)