2022 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌特異的エクソソームタンパクによる癌微小環境調節機序の解明と診断キット開発
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20K18140
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
冨山 栄輔 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40845244)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 膀胱癌 / エクソソーム / プロテオミクス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
膀胱癌から尿中に分泌されるエクソソームは癌特異的なタンパクを含み、膀胱癌の新規診断マーカーの探索源として有望である。本研究課題では、スクロースクッション併用超遠心法により膀胱癌および非膀胱癌患者の尿からエクソソームを回収し、プロテオミクスによる網羅的解析および検証を行い、尿中エクソソーム中のEphrin type-A receptor 2(EphA2)を膀胱癌の新規診断マーカーとして同定した。
In vitroの解析では、EphA2が膀胱癌促進的な働きを持つこと、さらにEphA2がエクソソームを介しても膀胱癌の浸潤や遊走を促進することを明らにした。このエクソソームを介したEphA2による膀胱癌浸潤促進効果は、EphA2のリガンドであるEphrin-A1を膀胱癌細胞側でノックダウンすることや、EphA2陽性エクソソームにEphrin-A1を予め添加し結合させることで減弱したため（競合阻害）。これらの結果によりエクソソーム上のEphA2が癌細胞側のEphrin-A1を介して膀胱癌細胞の浸潤や遊走を促進すると想定され、EphA2やEphrin-A1の治療標的としての可能性が示唆された。
さらに、膀胱癌の簡便な診断システム開発のため、超遠心法を用いずに尿中エクソソーム中のEphA2を定量可能な測定系（ELISA）を開発した。膀胱癌患者および非膀胱癌患者（膀胱炎など非膀胱癌疾患による血尿患者を含む）の尿を用いた検証では、同ELISAは優れた膀胱癌診断能を示し（感度：61.1%、特異度：97.2%、ROCAUC：0.78）、尿細胞診を併用すると膀胱癌診断能は向上した（感度：80.6%、特異度：97.2%）。
以上により尿中エクソソームタンパク中のEphA2を用いた診断システムの今後の臨床応用に向けたproof of conceptが得られた。
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[Journal Article] EphA2 on urinary extracellular vesicles as a novel biomarker for bladder cancer diagnosis and its effect on the invasiveness of bladder cancer2022
Author(s)
Tomiyama E, Fujita K, Matsuzaki K, Narumi R, Yamamoto A, Uemura T, Yamamichi G, Koh Y, Matsushita M, Hayashi Y, Hashimoto M, Banno E, Kato T, Hatano K, Kawashima A, Uemura M, Ukekawa R, Takao T, Takada S, Uemura H, Adachi J, Tomonaga T, Nonomura N
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Journal Title
British Journal of Cancer
Volume: 127
Pages: 1312～1323
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Discovery of a urinary exosomal protein-based bladder cancer biomarker and development of a novel diagnostic technique2022
Author(s)
Eisuke Tomiyama, Kazutoshi Fujita, Kyosuke Matsuzaki, Akinaru Yamamoto, Toshihiro Uemura, Gaku Yamamichi, Taigo Kato, Koji Hatano, Atsunari Kawashima, Motohide Uemura, Ryo Ukekawa, Hirotsugu Uemura, Jun Adachi, Takeshi Tomonaga, Norio Nonomura
Organizer
第81回日本癌学会学術総会
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[Presentation] 尿中細胞外小胞に着目したプロテオミクスによる新規膀胱癌診断マーカー探索とその測定系の開発2022
Author(s)
冨山栄輔, 藤田和利, 鳴海良平, 請川 亮, 加藤大悟, 波多野浩士, 河嶋厚成, 植村元秀, 足立 淳, 朝長 毅, 野々村祝夫
Organizer
第6回Liquid Biopsy研究会
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