2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞内ミオイノシトール代謝を標的とした新規腎癌薬物療法の開発
Project/Area Number |
20K18148
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
胡口 智之 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40791950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎癌細胞株におけるミオイノシトール代謝関連遺伝子の発現と細胞内ミオイノシトール代謝について解析するため、作成したISYNA1強制発現ベクターを用いて細胞株への遺伝子導入を行った。ヒト腎癌細胞株ACHN、786-OにISYNA1強制発現ベクターをリポフェクション法で導入した後、選択培地添加により選択した遺伝子導入細胞の細胞増殖経過を評価したところ、ISYNA1発現細胞では細胞増殖の抑制がみられた。細胞の内的なミオイノシトール濃度増加による細胞増殖抑制効果のほか、外的なミオイノシトール濃度増加に関する影響を評価するため、細胞培地へのミオイノシトール投与を行った。ミオイノシトールによる浸透圧負荷の影響と対比するため、同じ単糖類のグルコース投与を行った系列について細胞増殖効果を評価した。ACHNでは細胞増殖に差を認めなかったが、786-Oでは低濃度のミオイノシトール曝露から細胞増殖の抑制を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発現ベクターによるタンパク強制発現時、抗Tagタンパク抗体による発現と抗ISYNA抗体による発現に乖離がみられるため、要因について検討を進めている。また、併行して別な強制発現ベクターの作成も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定している強制発現ベクターの作成と遺伝子導入時の細胞増殖への効果について解析を進め、細胞生存シグナルのPI3K/Akt経路および細胞増殖シグナルのるMAPK経路の活性化に及ぼす影響について検討を進める。
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Causes of Carryover |
実験試薬、消耗備品購入を予定していたが、コロナ肺炎による物品供給の不安定のため、期間内に物品が届かなかったため。
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