2022 Fiscal Year Research-status Report
FGL1産生メカニズムに着目した抗PD-1抗体療法耐性泌尿器癌克服のための研究
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20K18152
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高木 敏男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00385387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 泌尿器がん / 腎がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / FGL1 / LAG3 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの進行がんで免疫チェックポイント阻害剤が使用され、高い治療効果を示しているが、その効果は限定された患者で認められ、治療抵抗性の患者に対する治療開発が望まれている。LAG3はT細胞上に存在する細胞疲弊に関わる分子であるが、最近この新たなリガンドとしてFGL1が報告された。本研究では、がん細胞から産生されるFGL1のみならず、宿主組織から産生されるFGL1の産生メカニズムとその意義を解明し、新たな治療標的探索を行うとともに、泌尿器がん臨床検体を用いてFGL1とLAG3のバイオマーカーとしての意義を明らかにする。2021年度にFGL1産生メカニズムの解明に必要な実験 (in vitroおよびマウスモデル)を開始した。マウスの泌尿器がん細胞株(Renca)をマウスに皮下移植し、その際に、マウス血液をがん細胞株移植前、移植後7日目、14日目、23日目の4点で経時的に採取し、その血清を保存した。2022年度はこれらの血清を用いて血清中のFGL1をELISA法にて解析した。Rencaを皮下移植したマウスと週齢を合わせたnaiveマウスとで血清中のFGL1を比較したが、その差を認めることができなかった。このモデルではFGL1が上昇する系を作成できなかったので、ここで一旦マウスモデルの実験を終了した。また2020年度から2021年度にかけて82症例の腎細胞がんの外科切除検体を用いて腫瘍浸潤免疫細胞のLAG3発現をマルチカラーフローサイトメーターで解析を行ったが、2022年度はさらに20検体を追加し、合計102検体の保存を終了した。さらに2020年度から2021年度にかけて免疫チェックポイント阻害剤を使用した腎細胞がん25症例の治療前血清を採取したが、2022年度は新たに10症例の治療前血清を採取し、合計35症例とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスの腎がん細胞株を用いたin vitro、in vivoの実験に関しては、マウスの泌尿器がん細胞株(Renca)による皮下移植で血清中のFGL1濃度が上昇を認めなかったため、実験を一旦終了している。 臨床検体の集積は、これまでに腎癌切除検体を102症例分保存が完了しており、そのうち82症例はマルチカラーフローサイトメトリーによる解析を終了している。また免疫チェックポイント阻害剤を使用した症例の治療前血清も35症例分が保存されている。しかし腎癌切除検体の残り20症例分のマルチカラーフローサイトメトリー解析および上記血清中のFGL1の解析はこれから行う必要があるため、1年間の延長申請を行ったため上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
腎癌切除検体のルチカラーフローサイトメトリー解析を残り20症例にも行い、合計102症例の解析データを取得する。これらのデータを用いて腫瘍浸潤免疫細胞上に発現するLAG3と臨床病理学的所見との比較を行い、その意義を明らかにする。 また免疫チェックポイント阻害剤を使用した症例の治療前血清も35症例分が保存されているが、さらに症例を集積し、ELSA法を用いてFGL1の血中濃度の解析を行う。免疫チェックポイント阻害剤使用前のFGL1血中濃度と免疫チェックポイント阻害剤の治療効果の相関について解析する。
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Causes of Carryover |
マウスの腎がん細胞株を用いたin vitro、in vivoの実験に関しては、マウスの泌尿器がん細胞株(Renca)による皮下移植で血清中のFGL1濃度が上昇を認めなかったため、実験を一旦終了している。 臨床検体の集積は、これまでに腎癌切除検体を102症例分保存が完了しており、そのうち82症例はマルチカラーフローサイトメトリーによる解析を終了している。また免疫チェックポイント阻害剤を使用した症例の治療前血清も35症例分が保存されている。しかし腎癌切除検体の残り20症例分のマルチカラーフローサイトメトリー解析および上記血清中のFGL1の解析はこれから行う必要があるため、1年間の延長申請を行った。次年度は、腎癌切除検体のルチカラーフローサイトメトリー解析を残り20症例にも行い、合計102症例の解析データを取得する。これらのデータを用いて腫瘍浸潤免疫細胞上に発現するLAG3と臨床病理学的所見との比較を行い、その意義を明らかにする。 また免疫チェックポイント阻害剤を使用した症例の治療前血清も35症例分が保存されているが、さらに症例を集積し、ELSA法を用いてFGL1の血中濃度の解析を行う。免疫チェックポイント阻害剤使用前のFGL1血中濃度と免疫チェックポイント阻害剤の治療効果の相関について解析する。
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