2023 Fiscal Year Annual Research Report
FGL1産生メカニズムに着目した抗PD-1抗体療法耐性泌尿器癌克服のための研究
Project/Area Number |
20K18152
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高木 敏男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00385387)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 泌尿器がん / 腎がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / FGL1 / LAG3 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの進行がんで免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が使用され、高い治療効果を示しているが、その効果は限定された患者で認められ、治療抵抗性の患者に対する治療開発が望まれている。LAG3はT細胞上に存在する細胞疲弊に関わる分子であるが、最近この新たなリガンドとしてFGL1が報告された。本研究では、がん細胞から産生されるFGL1のみならず、宿主組織から産生されるFGL1の産生メカニズムとその意義を解明し、新たな治療標的探索を行うとともに、泌尿器がん臨床検体を用いてFGL1とLAG3のバイオマーカーとしての意義を明らかにする。2023年度は転移性腎細胞がんに対してICI治療を行った28症例の治療前、治療後2-3週、治療後3ヶ月の血清中のFGL1を測定し、治療効果との相関解析を行ったところ、治療後2-3週の血清FGL1が全生存期間と相関していた。さらに外科切除検体から抽出した腫瘍浸潤T細胞上のLAG3発現をフローサイトメトリーを用いて検出し、臨床病理学的所見との相関性を解析した。LAG3発現は該当細胞におけるMean Fluorescence Intensity で評価した。CD4陽性T細胞上のLAG3発現は臨床病理学的所見との相関を認めなかったが、CD8陽性T細胞上のLAG3発現は高齢、進展症例、high grade症例で有意に上昇していた。CD4陽性T細胞上のLAG3及びCD8陽性T細胞上のLAG3ともに治療効果、全生存期間との相関は認めなかったが、少数例の検討のためさらに症例を蓄積して解析する必要がある。
|
-
[Presentation] Impact of Gender on the Efficacy of Immune Checkpoint Inhibitor Therapy in Solid Tumors, Including Renal Cell Carcinoma2024
Author(s)
Hironori Fukuda, Hiroki Ishihara, Yukihiro Mizoguchi, Makiko Yamashita, Kazunori Aoki, Ryo Ishiyama, Takashi Ikeda, Yuki Nemoto, Hiroaki Shinmura, Yasunobu Hashimoto, Kazuhiko Yoshida, Toshihito Hirai, Junpei Iizuka, Daisuke Tokita, Tsunenori Kondo, Yoji Nagashima, Toshio Takagi
Organizer
第111回日本泌尿器科学会総会