2022 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸部胃型腺癌におけるオルガノイド培養の確立と治療方法の開発
Project/Area Number |
20K18157
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田口 歩 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60756782)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 子宮頸がん / HPV / オルガノイド培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
合計で18症例の子宮頸癌オルガノイド培養を試みた。内訳は子宮頸部腺癌5例、扁平上皮癌5例、腺扁平上皮癌3例、小細胞癌3例、胃型腺癌2例であった。そのうち、3継代以上の培養を行えたのは6例であった。その内訳は、扁平上皮癌が2例、腺扁平上皮癌が3例、小細胞癌が1例であった。胃型腺癌はオルガノイド培養の樹立には至らなかった。 オルガノイド培養の樹立に成功した小細胞癌オルガノイドを用いて全エクソン解析とRNA-sequence解析を実施した。その結果、原発腫瘍と小細胞癌オルガノイドともにKRAS p.G12Dの遺伝子変異を認めた。樹立した小細胞癌オルガノイドに対して、KRAS経路にあたるMEK阻害剤であるトラメチニブを添加した結果、IC50:6.8 nMと高い抗腫瘍効果を認めた。 子宮頸がんの発癌には、HPVゲノムのヒトゲノムへの組み込みが重要である。HPVゲノムの組み込みはHPV由来のがん遺伝子であるE6・E7の恒常的発現の他、組み込み部位周辺のがん遺伝子の発現上昇につながることが知られている。樹立した小細胞癌オルガノイドのRNA seq解析によりウイルス・ヒトキメラRNA解析を行った結果、HPV18ゲノムは8番染色体(8q24.21)に組み込まれていることがわかった。また、組み込み部位の下流にはがん遺伝子であるMYCが位置しており、小細胞癌オルガノイドでのMYCの発現上昇を確認した。小細胞癌オルガノイドを用いてMYC阻害剤のMYCi975の薬剤感受性試験を行ったところ、IC50:3.7 μMであった。 また、樹立した小細胞癌オルガノイドをもとにマウスゼノグラフとモデルを作成した。In vitroで高い抗腫瘍効果を有したトラメチニブを用いて薬剤感受性試験を行った。その結果、トラメチニブ投与群ではコントロール群に対して有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた(ログランク検定、p=0.001)。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Effect of pelvic radiotherapy on patients with stage IB-IIA cervical cancer after radical hysterectomy: A single center retrospective study.2023
Author(s)
Ishizawa C, Taguchi A, Tanikawa M, Honjo H, Nishijima A, Eguchi S, Miyamoto Y, Sone K, Tsuruga T, Mori M, Osuga Y.
-
Journal Title
Oncol Lett.
Volume: 25
Pages: 112-112
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
[Journal Article] Cells with stem-like properties are associated with the development of HPV18-positive cervical cancer.2023
Author(s)
Kusakabe M, Taguchi A, Tanikawa M, Wagatsuma R, Yamazaki M, Tsuchimochi S, Toyohara Y, Kawata A, Baba S, Ueno T, Sone K, Mori-Uchino M, Ikemura M, Matsunaga H, Nagamatsu T, Wada-Hiraike O, Kawazu M, Ushiku T, Takeyama H, Oda K, Kawana K, Mano H, Osuga Y.
-
Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 114
Pages: 885-895
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-