2022 Fiscal Year Research-status Report
女性特有癌の遺伝的リスク教育が勤労世代女性のライフプラン形成に与える効果の検証
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20K18159
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
甲畑 宏子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 講師 (90762542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳癌 / 教材 / 血縁者 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始当初は、勤労世代女性に対し、乳癌に関する理解の向上、乳癌検診率の向上、遺伝医療の認知度向上を目的とした対面での教育プログラムの実施を予定していた。しかし、COVID-19の蔓延により対面での教育が困難となり、教育プログラム開発者とともに教育方法の検討を実施してきた。 本研究で実施した2020年度の教育ニーズ調査では、フルタイム勤務の女性においては「勤務先の職場で行われる健康教育として」の実施が最もニーズが高かったが、働き方を問わない場合には「ウェブでの動画教材」「パンフレット等の紙媒体の教材」のニーズが上位を占めた。そこで、今年度は既に作成した教育内容の冊子化に取り組んだ。「認定遺伝カウンセラーによる乳がん教材 ~乳癌患者さんのご家族・血縁者向け冊子~乳がんを知って健康管理に役立てよう」が完成した。 完成した冊子見本を全国遺伝子医療部門連絡会議維持機関(136施設、教材開発者が所属する施設を除く)およびJOHBOC(一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構)認定施設の乳腺外科(110施設)、計246施設に送付し、施設内での配布・利用に関する意向調査を実施した。結果、全国の71施設より配布希望の連絡があった。活用目的としては、乳癌患者さんの患者家族への配布がほとんどであったが、院内の医療者教育に用いたいという回答も得られた。教材開発者所属施設を含め、全国約80の医療機関で本研究により開発した冊子が乳癌患者さんのご家族・血縁者に配布されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教材の開発が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は開発した教材冊子をウェブに掲載し、本研究終了後も広く利用してもらえる体制を整備する。また、利用施設においての使用感や意見、読者の意見を収集するための調査を実施する。意見については前述のウェブ版冊子に反映する予定である。
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Causes of Carryover |
前述の通り、当初は勤労世代女性に対する対面による乳癌教育を予定していたが、COVID-19の蔓延により研究計画の変更を迫られた。実施計画を変更したため、当初予定よりも研究期間が延長された。今年度も引き続き開発した教材冊子の配布を行う。また、冊子利用施設において、使用感や内容に関する意見、読者の感想・意見を収集するための調査を実施する。
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