2020 Fiscal Year Research-status Report
Foxp4の子宮内膜癌増悪化の機序解明とアンドロゲンに着眼した新規治療法の開発
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20K18160
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松岡 歩 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (50579662)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮体部類内膜癌 / Foxp4 / Androgen receptor / アンドロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は子宮体部類内膜癌において、Foxp4の発現が子宮体部類内膜癌における悪性化への関与に関する知見を得ること、そしてFoxp4を制御する因子の一つとしてアンドロゲンに注目し新しい子宮体部類内膜癌の治療法の提案を目指すものである。 後方視的に過去の子宮体部類膜癌症例(294例)についてFoxp4の発現を免疫組織学的に検討したところ、Foxp4 強陽性群は予後不良であることが判明した。またAndrogen receptor (AR) についても同様に検討したところ、AR発現弱陽性群で予後不良であることが判明した。 またヒト子宮内膜癌細胞株を用いて、Foxp4のノックダウン株を作成しproliferation assayを施行したところ、増殖能が有意な低下を示し、soft agar colony formation assayでもコロニー数の有意な減少を認めた。以上からFoxp4は子宮体部類内膜癌において、細胞増殖を促進させる可能性や足場非依存性増殖を促進させる可能性があることが示唆された。 さらにアンドロゲン受容体発現ヒト子宮体癌細胞株を作成し、DHTを投与すると、ウエスタンブロティングでFoxp4の発現量が低下することが確認された。この細胞株にDHT投与し proliferation assayを施行すると細胞増殖が抑制されることも判明した。 これらの結果から子宮体部類内膜癌においてFoxp4が増悪化に関わり、さらにアンドロゲンがその制御に関わっている可能性が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
294例でのヒト子宮体部類内膜癌を病理組織学的に検討し、さらに細胞株を用いて実験したことで、より仮説を強く支持する結果が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマウスモデルを用いて仮説のさらなる立証に向けて詳細な検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は病理組織学的な主な検討であり余剰資金が生じた。 次年度は計画遂行のため更なる細胞実験やマウス実験のための試薬等購入資金や、学会発表・論文投稿費用に充てる。
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