2020 Fiscal Year Research-status Report
A novel method to prevent obstetric and gynecological diseases based on mouse uterine peristalsis and circadian rhythms.
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20K18161
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
細野 隆 金沢大学, 附属病院, 医員 (50867893)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時計遺伝子* / 子宮 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日リズムは一日単位のリズムであり、視床下部の中枢時計と各臓器内の末梢時計が同期し て形成され、基本的な生体活動を維持している。一方で女性は月経周期という月単位の生殖 リズムを有しており、子宮や卵管の収縮リズムはこれに連動して変化する。子宮収縮は月経 や分娩に必須の運動であり、その異常は月経困難症、子宮内膜症、着床障害さらに早産など に関与すると推察される。我々の研究は子宮収縮が子宮末梢時計の制御を受けており、様々な産科・婦人科疾患が時計遺伝子が原因の一つである可能性を明らかにすることである。 本年は、すでに開発済みのex-vivoでの子宮収縮が解析可能な実験系を用いてWTマウスと子宮特異的Bmal1KOマウスを比較し、子宮収縮のリズム、頻度に差があるかどうかを解析した。平滑筋収縮は“振り子運動”、“分節運動”、 “蠕動運動”の3つがあるが、特に蠕動運動に関して注目した。しかし子宮の蠕動運動に関しては両者に明らかな差が見られず、実験系の改良や薬剤投与下での変化について今後検討が必要と考えている。 また他臓器と同様に子宮でも時計遺伝子群の発現が周期性を持って調節されている事はすでに分かっているが、子宮の末梢時計を変化させるような生活習慣に関しても少しずつ判明しており、引き続き子宮における時計遺伝子発現が引き起こす表現型を模索するとともに、そのさきに重要となる治療に向けての実験も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ex-vivoでの子宮収縮解析の実験系では思うような結果が見られなかった。そのため実験系の改良やその他の方法を検討する必要が計画に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮における時計遺伝子の機能に関しては子宮収縮のみに限定せずに、その他の要因(不妊や炎症など)も考えていく必要がある。
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Causes of Carryover |
今年度はすでに開発済みの実験系を用いての実験が多く、余剰資金が生じた。 次年度は計画遂行のため、実験系の改良やマウス実験、学会発表・論文投稿費用に充てる。
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