2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞分裂期キナーゼ阻害との合成致死性に基づいた新しい卵巣癌治療法の開発
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20K18162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉内 学志 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50845097)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / ルテオリン / VRK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】ルテオリンは緑黄色野菜などに含まれるフラボノイドの一種であり、消化器癌における抗腫瘍効果や膀胱癌の発癌予防効果が部分的に解明されつつある。本研究では、上皮性卵巣癌に対するルテオリンの効能を、細胞株や患者腫瘍由来モデル (PDX) を用いて検証した。 【方法】卵巣癌細胞株A2780とES2を用いて細胞増殖、細胞周期、細胞死、リン酸化アレイを行った。当科で樹立したPDXモデルであるTIL15を用いて、担癌マウスにおけるルテオリンの抗腫瘍効果を検証し、摘出腫瘍の組織学的評価を行った。 【成績】ルテオリンの投与によって、卵巣癌細胞株の増殖が濃度依存性に抑制された。ルテオリン投与によってアポトーシスは亢進せず、有糸分裂の阻害によって細胞増殖を抑制することがわかった。ルテオリンの投与によってERK1/2のリン酸化が低下し、MAPK経路の抑制を介して有糸分裂抑制効果を示すことが示唆された。PDXにおいては、ルテオリン投与群ではコントロール群に比して有意な腫瘍径の縮小が認められ、シスプラチンとの併用によって相加効果が認められた。摘出腫瘍の免疫染色では細胞周期M期のマーカーであるリン酸化ヒストンH3 (Ser10) が、著明に抑制されていた。 【結論】ルテオリンは上皮性卵巣癌に対しても増殖抑制効果や抗腫瘍効果を示し、初回治療や維持療法において活用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた動物実験を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
ルテオリンによるVRK1阻害作用と、VRK1阻害による卵巣癌腫瘍増殖抑制のメカニズムの解明をさらに進める。 また、ルテオリンによるVRK1阻害作用は特異的ではないため、特異的にVRK1の活性を阻害する物質のスクリーニングを行い、同阻害物質を用いた検討も行っていく予定である。
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