2022 Fiscal Year Annual Research Report
合成レチノイドは新たな子宮内膜症治療薬として有効か
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20K18167
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
東 幸弘 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (50815579)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / レチノイン酸 / レチノイン酸受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症細胞モデルにおけるレチノイン酸受容体(RAR)発現について、RT-PCRを用いて検証した。その結果、RARの全てのサブタイプ(α、β、γ)が発現していることを確認した。その発現レベルは、正所性子宮内膜間質細胞と同程度であった。 RARα、βおよびγそれぞれに選択的に作用するアゴニストを選定し、子宮内膜症細胞モデルに添加し細胞増殖に与える影響をWST-1細胞増殖アッセイで評価した。投与濃度は、それぞれのKd値より算出した。RARαおよびβ選択的アゴニストは細胞増殖に影響を与えなかったが、RARγ選択的アゴニストの添加は子宮内膜症間質細胞の増殖を抑制した。 子宮内膜症細胞モデルにATRAおよびRARγ選択的アゴニストを添加し、フォスファチジルセリンの発現を蛍光染色を用いて観察した。フォスファチジルセリンの発現はわずかであり、合成レチノイド投与によるアポトーシスの誘導は否定的であった。 子宮内膜症細胞モデルにおけるレチノイン酸受容体(RAR)発現の詳細についてRT-PCRを用いて検証した結果、RARの全てのサブタイプ(α、β、γ)で野生型に加え変異型の発現がみられた。 各RARのサブタイプに選択性をもつアゴニストを子宮内膜症細胞モデルに添加し、次世代シーケンサーを用いて遺伝子発現の違いを網羅的に解析した(RNA-Seq解析)。ATRAおよびRARγ選択的アゴニストの添加により、細胞周期にかかわるいくつかの特異的な遺伝子発現パターンを検出した。
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[Presentation] Molecular background of retinoic acid receptor expression in endometriotic cells2022
Author(s)
Yukihiro Azuma, Fuminori Taniguchi, Hiroki Nagata, Ikumi Wada, Takaya Nakaso, Ai Ikebuchi, Maako Moriyama, Emiko Yamane, Kei Nagira, Eri Sato, Tasuku Harada
Organizer
第74回日本産科婦人科学会学術講演会