2021 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦健診データのAI分析による妊娠高血圧症候群の発症予測システムの実用化
Project/Area Number |
20K18168
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
品川 征大 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (50814472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧 / 発症予測 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
2009年から2017年に当院で妊婦健診と分娩管理を施行した4038妊娠(予測モデル作成)及び2018年から2019年の871妊娠(検証データ)を対象とした。健診毎の血圧、尿蛋白、Body mass index (BMI)を取得した。時系列データを取り扱う本目標を達成するAIとして、隠れマルコフモデル(HMM)を用いた統計的機械学習を採用した。さらに従来のHMMを拡張し、時間(妊娠週数)に依存する共変量を状態遷移行列のパラメータに許容するモデル化を試みた。 本マルコフ依存混合モデル(Markov-dependent mixture model)を用い、各妊婦健診データのうち、収縮期血圧、拡張期血圧、タンパク尿を応答変数として、妊婦健診時の状態を効率的に分類できる状態数を算出し、各健診回における次回健診時の状態を推定する遷移確率を算出した。検証データにおいて、妊娠中のHDP発症予測精度、及び妊娠31週以前のデータからそれ以後のHDP発症を予測する精度を算出した。 次に、2019から2020年にかけて収集した847妊娠を検証データに用いて予測精度を評価した。予測に用いたスコアは、最も尤度の高い状態遷移の軌跡(path)において最もリスクの高い状態と定めた。このスコアから実際のHDP発症の有無を判別した場合の予測精度のROC曲線を作成した。学習データについての曲線と検証データについての曲線のAUCはそれぞれ0.842と0.841であり、いずれも良好な精度を示した。一方、検証データにおいて妊娠週数31週までの健診データのみを用いて予測した場合の曲線はAUC 0.725であった。やや精度が劣るが、妊娠31週未満のデータから、その後のHDP発症を予測できることを反映しており、予測に基づく妊娠管理の実現に期待が持てる。 本研究成果について、特許出願を行った。
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Research Products
(1 results)