2021 Fiscal Year Research-status Report
CDK4/6阻害剤を用いた子宮体がん新規治療法の確立
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20K18170
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山本 拓郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00869787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮体がん / CDK4/6阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮体がんの増加に伴い、進行/再発などの予後不良例や妊孕能温存希望例が増加している。化学療法や分子標的薬が試行されているが未だ十分な結果が得られておらず、新たな治療戦略が必要とされている。本研究の目的は、乳がんで長期の効果と安全性が確認されているCDK4/6阻害剤を軸にした新たな治療戦略を乳がんと同じくホルモン依存性腫瘍である子宮体がんにおいて確立をすることである。本研究では、既存の細胞株にはホルモン感受性と言える細胞株が存在しないため、ホルモン感受性子宮体がん株の樹立が非常に重要である。培養方法の検討が必要であると考え、患者腫瘍検体から上皮成分を抽出し、organoid cultureを用いて子宮体がん上皮細胞の培養に成功した。今後、薬剤による抗腫瘍効果を検討するため、培養条件を設定しながら、長期継代培養およびcell lineの確立を目指している。また、このorganoid cultureを用いてCDK4/6阻害剤およびCDK4/6阻害剤との併用療法を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究において、子宮体がんの大多数を占めるホルモン感受性株の確立は非常に重要である。しかしながら、現在のところ長期継代培養およびcell lineの確立に難航しており、CDK4/6阻害剤と他の薬剤の相乗効果を検討するに至っていない。その理由として患者腫瘍検体を用いるため資源に限りがあることや、培養の際に上皮成分のみを増殖させるため間質成分の増殖を抑える培養液を用いるが、同培養液を用いた実験系が十分に確立されていないため、その確立にも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者検体からの上皮細胞の抽出および培養手技は安定してきており、今後実験に用いることができる検体は増えていくと考えている。継代回数も徐々に増えてきており、長期継代培養、cell lineの樹立、および同培養方法での薬剤の増殖抑制実験、薬剤処理後の培養細胞の免疫染色などの実験方法を確立していく。また、ホルモン療法を用いた治療の検討はできないが、既存の子宮体がん細胞株を用いて、CDK4/6阻害剤と他の薬剤の併用療法についても検討を進めていく。
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