2022 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内感染の予測と羊水穿刺の適応を診断する方法の開発
Project/Area Number |
20K18179
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
倉員 正光 福岡大学, 医学部, 講師 (30712468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内感染 / 絨毛膜羊膜炎 / 網羅的マイクロアレイ解析 / マイクロRNA / デジタルPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内感染は、早産や胎児炎症反応症候群と関連し、その過剰な炎症反応により新生児の重度な合併症や精神発達遅延をきたす予後不良因子です。子宮内感染や胎児感染を早期予測診断することが目的です。我々は、2020年から2022年において、羊水中のマイクロRNA(miRNA)-4535とmiR-1915-5pが、絨毛羊膜炎の予測診断のバイオマーカーになり得ることを明らかにしました(Kiyoshima, Kurakazu et al., Future Science, 2020)。また、羊水中のmiR-4353とmiR-1915-5pは、胎児感染(定義:新生児抗菌薬使用症例)を予測診断できる可能性について明らかにしました。(Yoshikawa, Kurakazu et al., Placenta, 2021)。今回、腟内細菌叢についてランダムフォレストアルゴリズムを用いて細菌叢解析し、絨毛膜羊膜炎リスクをスコアリング評価できるか検討しました。スコアリング陽性群では陰性群と比較して、妊娠期間が2週間短縮していたこと、3歳時の発達障害の頻度が有意に高かったことを明らかにしました。(Urushiyama, Kurakazu et al., Scientific Reports, 2021) 近年、子宮内感染に対する抗菌薬治療の有効性が報告されてきており、子宮内感染の早期予測診断の果たす役割の重要性が高まってきています。新規の炎症性バイオマーカーは、子宮内感染の早期予測診断精度において、さらなる診断性度向上に寄与する可能性があります。引き続き新規炎症性バイオマーカーの探索を継続し、子宮内感染の早期予測診断・治療に繋げていきます。 我々は、感染性切迫早産診断・治療することで後遺症なき新生児管理への橋渡しが十分できると考えており、周産期管理においてその役割が果たす社会的意義は高いです。
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