2022 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド剤は羊膜を脆弱化しpreterm PROMのリスク因子となりうるか?
Project/Area Number |
20K18182
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
岡崎 有香 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 医師 (70816967)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SLE / 前期破水 / グルココルチコイド / 羊膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト羊膜間葉系細胞: human amnion mesenchymal cells (hAMCs)を分離・単離した。Dexamethasone (DEX)をhAMCs培養中に添加し、electric cell-substrate impedance sensing (ECIS)を用いて細胞間抵抗および、細胞の被覆面積を反映するcapacitanceを測定した。またマイクロアレイを用いてDEX添加hAMCsの発現変動遺伝子(DEGs) “cell-DEGs”を抽出した。次いで、SLE合併妊娠羊膜とコントロールと比較した“tissue-DEGs”を抽出し、“cell-DEGs”と比較した。“tissue-DEGs”と“cell-DEGs”で重複する遺伝子のうちITGA8に注目し、HeLa細胞およびhAMCsでITGA8を過剰発現させ、定量的逆転写PCR (RT-qPCR)を用いて遺伝子発現変動を確認した。 ECIS解析の結果はグルココルチコイドが細胞-細胞間の結合を脆弱化することを示唆した。また遺伝子発現解析の結果から、DEX投与hAMCsにおいて、またSLE合併妊娠羊膜でも発現が上昇した細胞接着関連遺伝子としてITGA8に注目した。ITGA8の機能を解明するために、HeLa細胞およびhAMCsでITGA8を過剰発現させると、両細胞で、MMP-1が増加し、コラーゲンⅠ型α1、α2、Ⅲ型の発現が低下した。これらの結果は、hAMCsを含む細胞でITGA8がコラーゲン分解に寄与することを示唆している。ITGA8の過剰発現は、細胞外マトリックスレベルの低下や細胞外マトリックスによる足場形成の阻害とも関連しており、卵膜の微小破綻を修復しにくくしている可能性がある。卵膜の微小破綻が、ITGA8レベルの上昇によって修復が困難になっている場合、pPROMの要因となる可能性がある。
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Research Products
(2 results)