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2020 Fiscal Year Research-status Report

ARID1A変異型卵巣明細胞癌を標的としたATRかつBRD4阻害療法の確立

Research Project

Project/Area Number 20K18219
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

木瀬 康人  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90778531)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords卵巣癌 / 明細胞癌 / ゲノム医療 / ARID1A / PDX / ATR / BRD4
Outline of Annual Research Achievements

我々は卵巣がんの中でも化学療法抵抗性症例が多く治療に難渋する卵巣明細胞癌(CCOC)に対して、その約50%が持つARID1A変異という特徴を標的とした新規治療法の確立を目指している。先行実験によるドラッグスクリーニングにおいて、CCOC細胞株にはATR阻害剤とBRD4阻害剤がそれぞれ強い抗腫瘍効果を示した。この結果をふまえて、本研究ではATR阻害かつBRD4阻害療法(ATRi+BRD4i)の確立を目指している。
これまでの研究実施状況として、卵巣癌細胞株OVKATEのARID1Aノックダウンならびに大腸癌細胞株HCT116のARID1AノックアウトにてATRi+BRD4iの感受性の増加を認めた。一方、ARID1A変異のある子宮内膜癌細胞株HEC1AにARID1A強制発現をもたらすとATRi+BRD4iの感受性は低下を示した。そしてARID1A変異型卵巣癌細胞株(TOV21G、OVMANA)とARID1A野生型卵巣癌細胞株(OVKATE、ES-2)を用いてATRi+BRD4iがアポトーシス、DNA damage、細胞周期へ与える影響を調べたところ、ARID1A変異型の方がより高頻度のアポトーシスマーカー陽性細胞とDNA damageマーカー陽性細胞を認め、細胞周期はより強いG1 arrestを認めた。以上よりIn vitroにおいて、ARID1A変異がATRi+BRD4iの感受性のバイオマーカーとなりうると考える。
さらに現在はUniversity of Pennsylvaniaならびに大阪大学にて確立したARID1A変異型と野生型のCCOC患者由来腫瘍異種移植(PDX)卵巣同所移植マウスモデルを用いて、ATRi+BRD4i療法の効果を比較検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、我々が予備実験のDrug screeningで見出した卵巣明細胞癌(CCOC)に対する新規併用療法;DNA damage修復機構関連薬であるATR阻害剤(ATRi)+エピジェネティクス制御関連薬であるBRD4阻害剤(BRD4i)が、ARID1A変異をもつがんに対して特に強い相乗的抗腫瘍効果を示すメカニズムとそのIn vivoでの効果を検証している。
In vitroの実験結果は、「1. ARID1A発現がATRi+BRD4i 併用療法に与える影響をin vitroで検討する。」ならびに「2. ARID1A野生型と変異型細胞においてATRi+BRD4i併用療法が与える影響について、ATRとBRD4に関連する分子シグナルをWestern blotにて、細胞周期・DNA damage・アポトーシスへ与える影響をFlow cytometryにて検討する。」ともにおおむね順調に進展している。「3. ARID1A野生型と変異型のCCOC Patient’s derived xenograft (PDX)マウスモデルを用いた検討を行う。」についても少数のマウスを用いた予備実験においてATRi+BRD4i併用療法がARID1A変異がんへ奏効することを認めており、今後Large scaleでのPDX in vivo preclinical trialを実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究計画として、まずは数種類の卵巣癌同所移植PDXモデルを用いたIn vivo実験を積極的に行ってゆき、その有効性と忍容性を検討していく。また、なぜARID1A変異がんにATRi+BRD4i併用療法が奏効するのかについての分子メカニズムを明らかにするため、既知のATR阻害剤やBRD4阻害剤が下流分子シグナルに与える影響をWestern blotで検討する。それに加えて、新規の分子機序の同定を目指して、RNA Sequenceやタンパク発現アレイ(Reverse phase protein array)を用いて検討を行う予定としている。

Causes of Carryover

次年度の試薬購入に充当するため。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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