2021 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌における三酸化二砒素によるCBR1増加を介した新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
20K18222
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梶邑 匠彌 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (20780779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / carbonyl reductase 1 / 三酸化二砒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸癌細胞株を用いたin vitro実験では、実際に三酸化二砒素(As2O3)を細胞株に直接添加したモデルを作成し、ウェスタンブロット法を用いて、CBR1の発現変化を評価したところ、実際にCBR1のタンパク質レベルでの上昇を認めた。しかし、同様のモデルではCBR1のmRNA発現の変化は確認できなかった。 As2O3による抗主要効果を評価するため、2種類の子宮頸癌細胞株SiHaおよびSKGIIにAs2O3を添加したところ濃度依存性に腫瘍細胞の増殖は抑制された。この増殖抑制効果が実際にCBR1の増殖を介するかどうかを評価するため、CBR1発現をアンチセンス法で阻害したCBR1発現抑制株を作成し、As2O3の腫瘍増殖抑制作用への影響を評価する予定である。また主要細胞遊走能や腫瘍の浸潤能に対するAs2O3の影響を評価するため、MMPアッセイおよびスクラッチアッセイ、マトリゲル浸潤アッセイをを行なった。いずれの実験でも As 2O3投与群ではコントロールに比較して浸潤、遊走ともに抑制されていた。in vivo実験では、重度免疫抑制マウス(ヌードマウス)の皮下に子宮頸癌細胞株を注射したモデルマウスを作成し、これらに 2.5x10^-6 MのAs2O3を8週間にわたり経静脈投与した。腫瘍細胞はコントロールに比較するとその増殖速度が明らかに抑制された。腫瘍摘出後の組織中のCBR1発現はタンパクレベルで有意に増加していた。また実験経過中にコントロール群と比較しても、実験群に対する明らかな有害事象は特に認められなかった。また組織中での微小環境の変化を評価するため免疫組織科学染色を施し詳細を評価する予定である。
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