2021 Fiscal Year Research-status Report
全脳透明化技術CUBICを用いた前庭破壊マウスの皮質活動解析
Project/Area Number |
20K18245
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
甲斐 竜太 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50870367)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前庭代償 / 一側内耳破壊 / アルサニル酸 / Arc-dVenusマウス / CUBIC / 内側前頭前野 / 無顆粒島皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
内耳末梢前庭器官で検知した前庭情報が大脳皮質のどの領域で処理されるか、あるいは前庭代償と皮質活動がどのように関与するか調べることをテーマとして研究を行っている。内耳破壊方法としては、簡便な方法であるアルサニル酸の鼓室内投与を行った。一側内耳破壊後の前庭機能について、C57BL/6Jマウス(オス、8~10週令、n= 9)を用い、頭部傾斜角度とロータロッド試験の2項目についてbehavior観察を行った。一側内耳破壊後の頭部傾斜は破壊後1日から対照群に比べ有意に大きくなり、10日後まで持続した。ロータロッド試験における落下潜時は破壊後1日から有意に短く、3日まで持続した。一側内耳破壊を施行したArcdVenusマウス(オス、8~10週令、n= 4)の脳をCUBIC法により全脳イメージ化した。4%パラホルムアルデヒド水溶液で固定したマウス脳組織を、N-ブチルジエタノールアミンとTriton X-100との混合水溶液(脱脂液;CUBIC-L)で7日脱脂処理をし、アンチピリンとニコチンアミドの高濃度水溶液(屈折率調整剤:CUBICR)で2日間処理することで、脳組織を透明化した。透明化脳標本はシート照明顕微鏡を用いて脳全体の高解像度イメージを撮像し、Imaris (Bitplane) ソフトウェア処理により3Dイメージを作成した。ソフトウェア上で明度・コントラストを適切に調整し、皮質におけるArcシグナルが検出可能であった。領域ごとにArcシグナル数を計測し、神経活動の指標として分析を行った。一側内耳破壊2日後に内側前頭前野、破壊7日後に内側前頭前野、無顆粒島皮質、一次体性感覚野、一次聴覚野において、対照群よりも有意にArcシグナル数が増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文投稿済である。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿済である。
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Causes of Carryover |
これまでのデータをもとに論文を投稿し、学会発表等を行っていく予定である。
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