2020 Fiscal Year Research-status Report
EBV感染によって惹起される細胞内オートファジー活性の意義の解明
Project/Area Number |
20K18246
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石川 和也 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60623650)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Epstein-Barr virus / オートファジー / 溶解感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
咽頭上皮ではEpstein-Barr ウイルス(EBV)は溶解感染を起こし、感染細胞は死滅する。そのため、上咽頭癌発癌のためにはEBVが潜伏感染へ移行することが必須である。オートファジーは細胞質成分をリソソームで分解することで細胞内の恒常性を維持しているが、ウイルスなどの病原体を排除する機能も有する。しかし、EBVが潜伏感染状態の細胞内では潜伏感染抗原に対する免疫応答を何らかの機序で回避しつつ、恒常性が維持されている。本研究では、オートファジーが潜伏感染の成立に寄与しているのではないかという仮説のもと、オートファジーの感染細胞における役割、および発癌過程に及ぼす影響を究明する。 本年は、EBV潜伏感染細胞であるEBfaV-GFPはtetradecanoyl phorbol acetate(TPA)とbutyric acied(NaB)を添加することで溶解感染を惹起できる。この細胞をクロロキンやイベルメクチンで処理し、オートファジー活性の変化が溶解感染に与える影響を検討したところ、溶解感染を誘発したEBfaV-GFPにCQでオートファジーを阻害したものでは著明に細胞が死滅した。すなわち、オートファジーが溶解感染による細胞死から細胞を守る作用があると考えられた。また、溶解感染を誘発したEBfaV-GFPをCQやイベルメクチンで処理し、オートファジー活性の変化がBZLF1やBRLF1などのウイルス蛋白発現に及ぼしている影響をウエスタンブロットで評価し、オートファジー発現と比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から予定していた研究計画を概ね順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、上咽頭癌の発生する上皮細胞でも検討するため、EBV潜伏感染上皮細胞の作成する。 EBV潜伏感染モデル細胞としてGFP遺伝子が組み込まれたB95-8EBV株はすでに当教室にある。EBV受容体であるCD21は通常上皮では発現していないので、CD21を遺伝子導入した293細胞を作成し、組換えGFP-EBVを感染させる。これにより作成しEBV潜伏感染上皮細胞を用い、EBV感染により誘導されるオートファジーが溶解感染および潜伏感染に与える影響を検討し、オートファジーを調整することで溶解感染を誘導できるか、潜伏感染様式をⅡ型からⅢ型、すなわち免疫原性の高い様式へとスイッチさせることができるか検討する。最後に作成したEBV潜伏感染モデル細胞を免疫不全マウスに接種する。このマウスに生着したEBV潜伏感染モデル細胞からは発癌が期待できるほか、リンパ増殖性疾患や日和見リンパ腫を発症することも期待できる。これらのEBV関連腫瘍の発生が観察できれば、クロロキンを投与してオートファジーを阻害することで溶解感染を促進し、EBV感染細胞を死滅させることで腫瘍の発生が予防できるか検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Xenografts derived from patients with head and neck cancer recapitulate patient tumour propertie2021
Author(s)
Makita H, Endo K, Kasahara Y, Nakata A, Moriyama-Kita M, Ishikawa K, Ueno T, Nakanishi Y, Kondo S, Wakisaka N, Gotoh N, Yoshizaki T.
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Journal Title
Oncol Lett
Volume: 5
Pages: 385
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] EBV-LMP1 induces APOBEC3s and mitochondrial DNA hypermutation in nasopharyngeal cancer2020
Author(s)
Wakae K, Kondo S, Pham HT, Wakisaka N, Que L, Li Y, Zheng X, Fukano K, Kitamura K, Watashi K, Aizaki H, Ueno T, Moriyama-Kita M, Ishikawa K, Nakanishi Y, Endo K, Muramatsu M, Yoshizaki T.
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Journal Title
Cancer Med
Volume: 20
Pages: 7663-7671
DOI
Peer Reviewed / Open Access