2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K18247
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中西 庸介 金沢大学, 医学系, 助教 (20623648)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 喉頭乳頭腫 / 鶏卵法 |
Outline of Annual Research Achievements |
実臨床において、喉頭乳頭腫はNBIにて毛細血管が豊富に発達していることが確認されているが、同じ頭頸部の乳頭腫でもHPVの関与が認められない咽頭、副鼻腔 の乳頭腫では喉頭に比して血管増生は乏しく、臨床的には治癒しやすい。そこで、われわれは血管新生の程度にHPV感染が関与することが喉頭乳頭腫の難治化と関連していると考えた。本研究により腫瘍側の因子として血管新生が喉頭乳頭腫の増殖に与える影響、宿主側の因子として自然免疫を介したオートファジーの影響を検証し、血管新生、オートファジーを標的とした新規治療法の基礎の創出を目的として検討を行った。本研究では、鶏卵モデルを用いて部位別の乳頭腫の生着状況と血管内皮増殖因子の発現を比較検討した。研究の序盤においては、孵卵器を準備して、鶏卵の発育条件などの設定を行った。実際の喉頭乳頭腫患者の組織を鶏卵に移植する実験を施行した所、生着が確認された。鶏卵発育後にシドフォビル注入を行った所、すべての症例ではないが、一部(8検体中2検体)で腫瘍の消失を認めた。HPV-DNAのタイピングの解析では、手術症例では1例がHPV type11で他の症例はすべてHPV type6であった。腫瘍正着率と血管新生の程度と臨床像との相関については、今回の検討では明らかな相関を確認することが出来なかった。シドフォビルとベバシズマブのcombination therapyの検討については、研究が進まず検討出来なかったため、今後の検討課題と考えている。
|