2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖転移酵素による糖鎖修飾に着目したECRS難治化の病態解明
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20K18252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 彩香 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80846395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / ECRS |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎(以下ECRS)は好酸球浸潤を伴う鼻茸などを特徴とする指定難病の一つである。 上皮細胞表面蛋白の糖鎖修飾は粘膜バリア構築において重要で あり、気道炎症に関与する蓋然性が高い。糖転移酵素による糖鎖修飾に着目し、ECRS難治化の病態 解明の研究を進めている。 副鼻腔組織検体(下鼻甲介・中鼻甲介・ポリープ)を採取し、定量的RT-PCR法にて糖転移酵素関連遺伝子の発現の評価を行ったところ、ECRSの中鼻甲介では、糖転移酵素関連遺伝子B3GNT7の発現の亢進を認めた。またECRSの組織免疫染色においても、B3gnt7は高発現していたが、NECRSでは発現はわずかであった。好酸球に主に発現するSigle8は、シアル酸結合性の膜貫通型蛋白であり、アポトーシスの際に結合する気道の糖鎖リガンドの一部がシアリル化ケラタン硫酸であることがこれまでに報告されている。そこで鼻茸組織中でのケラタン硫酸とSiglec8の発現を確認したところ、ECRSではSiglec8が高発現し同部位にケラタン硫酸の発現も見られた。 B3gnt7やケラタン硫酸がECRSにおける好酸球性炎症を制御している可能性があり,今後その機能についてさらなる検討が必要と考えられた。
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