メニエール病発症機序の解明。内リンパ水腫はメニエール病の原因か。

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K18260
• Research Institution: Nara Medical University
• Principal Investigator: 伊藤 妙子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60623486)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: メニエール病 / 内リンパ水腫 / アクアポリン / バソプレッシン

Outline of Annual Research Achievements

メニエール病患者の病理組織では内リンパ水腫が観察される。メニエール病の内リンパ水腫の発生要因を解明するために、メニエール病患者の内リンパ水腫の有無を内耳造影MRIで検出する。内リンパ水腫は我々が先行研究で報告した、内耳造影MRIの三次元構築を行い得られた画像から内リンパ腔容積、内耳体積を計測し、内耳全体に対する内リンパ腔の容積の占める割合を指標とする。またメニエール病患者のうちコントロール不良症例に対して施行する内リンパ嚢開放術の際に、内リンパ嚢組織を採取し内リンパ嚢組織の組織化学的検討も同時に行う。内リンパ水腫の形成に影響していると考えられる
バソプレッシンレセプターやアクアポリンチャネルなどの発現を観察する。
内耳造影MRIで観察された内リンパ水腫の大きさと、バソプレッソンレセプター、アクアポリンチャネルの発現の量を比較し、内リンパ水腫の形成との相関性、関係性を検討する。
本年度はメニエール病確実例に対して内耳造影MRIを施行し、内リンパ水腫の有無の観察を行った。コントロール不良のメニエール病に対し当科では内リンパ嚢開放術を施行しており、本年度も数例施行している。しかしながらCOVID-19感染症流行のため、手術件数、入院、検査件数は大幅に制限されており、予定していた例数には遠く及んでいないのが現状である。感染症収束に向かい次第、症例数を重ね、組織を集めるとともに研究の遂行に向けて準備を進めていく予定としている。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

COVID-19感染症の流行にともない、検査、入院、手術件数が大幅に制限されているため症例を集めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

入院、手術件数の制限がなくなれば速やかに予定通り、内耳造影MRI、内リンパ嚢開放術を再開し、データ、組織の収集を行う

Causes of Carryover

COVID-19感染症の流行のために予定通りの検査、手術ができなかった。
感染が収束次第、再開する。