2022 Fiscal Year Research-status Report
2光子顕微鏡を用いた大脳皮質運動野の嚥下機能Top-down修飾機構と病態解明
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20K18262
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
穴澤 卯太郎 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70622299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大脳皮質嚥下領野 / 嚥下機能 / 内因性シグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績において以下の結果を得た。 ①赤外線カメラを用いたマウスリッキングシステムによる嚥下運動の行動学的評価方法 これまでマウスの運動学習課題などにおいて、飲水時の大脳皮質イメージングや前肢の動態に対する赤外線カメラによる解析についてはすでに報告されていたが、この系を応用しマウス頭部固定下においてリッキングシステムを用いた飲水のタイミングを赤外線カメラによって2方向から撮像し、嚥下運動による頸部筋肉の運動動態に関する実験系構築を行った。 同時に嚥下関連筋の筋電図計測を行う予定であったが、覚醒下での実験系構築は難しくまずリッキングシステムを用いた実験系を優先させた。 ②咽頭期までの潜時を測定するため嚥下のスタートを口腔期とし、舌の動きを赤外線センサーでモニターすることで、生理的な嚥下時の動きを3次元的に解析し定量化する検討を行った。マウスの舌の動きは複雑であり、一次元のセンサーではその動きを捉えることが難しくより高度な行動解析が必要であった。 ③マウス頭蓋骨を露出させ嚥下時の内因性シグナルの測定を試みた。内因性シグナル測定に必要なレンズ、LEDライト、解析プログラムの検討を行うことができた。同実験系をより安定的に構築させることで、各マウスの嚥下関連領野から共通領域を抽出し、その他の運動野との領域の差異を検討した。嚥下関連運動野はより吻側に位置しており、嚥下関連感覚野はより尾側に位置していることが明らかとなった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内因性シグナルの実験系構築に時間を要した。測定に必要なレンズ、フィルター、励起波長の検討が遅くなったためであった。
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Strategy for Future Research Activity |
内因性シグナルにより嚥下領野を特定し、同部位にカルシウム感受性蛍光タンパク質を発現させ単一細胞レベルでの解析とその際のリッキングシステムによる行動解析との相関を比較検討する。
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Causes of Carryover |
構築した実験系を用いて、現在の実験を継続しさらに複数のデータを取得する必要があるため。 新たに構築した実験系を用いて継続して研究を行っていくための、物品・試薬・実験機器に充当する。
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Research Products
(1 results)