頭頚部食道重複癌における共通遺伝子変異の網羅的解析

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K18282
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 四宮 弘隆 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (00725385)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 咽頭癌 / 食道癌 / 遺伝子変異

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は頭頸部癌と食道扁平上皮癌の重複癌症例において、両方の癌細胞に共通の遺伝子変異を同定することである。それにより重複癌に同定されやすい変異が分かれば、重複癌をきたすリスク分類を行うことで、異時性後発の重複癌のリスクを分類することが可能となる。重複癌高リスクと判断される症例では、なるべく放射線治療を温存し、手術治療を優先するといった治療アプローチにつながる可能性がある。また重複癌の高リスク症例では、定期的な上部消化管内視鏡検査をより徹底することで、早期発見と早期低侵襲治療を可能とし、結果的に頭頸部癌、食道癌の予後改善に寄与するものと考えられる。
その目的に対し、咽頭癌、食道癌の重複癌に対していずれも手術治療を行っており、病理組織標本が入手可能な症例をリストアップし、準備を行っている。
本研究についての倫理委員会申請を行い、現在申請結果待ちの状態である。また同時に対象症例についてリストアップし、利用可能な病理献体の有無の確認を行った。共同研究者と研究の具体的内容（使用する遺伝子パネル、結果の解析方法等）を確認し、病理標本が入手されればすぐに研究を開始できる状態としている。倫理審査が通過したのちに、研究同意の確認、オプトアウトを行ったうえで、本年度に実際の遺伝子検索を開始する予定である。そのため、現在のところは具体的な研究の結果はまだ得られていない。本年度に本研究を行い、実験結果の解析を進め、研究目的について明らかにしていく予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

倫理委員会や研究の準備等順調に進んでおり、本年度予定通り遺伝子パネルによる遺伝子変異の検索に進める予定となったため。

Strategy for Future Research Activity

使用する遺伝子パネルや対象症例のリストアップも終了し、倫理委員会の通過を受けて、すぐに研究がスタートできる状態となっている。本年度中に遺伝子パネルによる実験結果を出し、解析に移れるものと考えており、予定通り進めていく。

Causes of Carryover

本年度は倫理審査申請や具体的な研究内容の決定に費やし、病理標本からのDNA抽出までに至らなかったため、予定よりも費用が少なくなった。余剰分は次年度に使用予定としている。