2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18286
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土橋 奈々 九州大学, 大学病院, 医員 (20826333)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 老人性難聴 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞老化の老人性難聴の病態への関与を明らかにすること、また、老化細胞の除去によって老人性難聴の予防や改善につながる治療法を開拓することを目的としている。研究の内容であるが、まず、老化促進マウスSAMP8とそのコントロールであるSAMRマウスを用いて、それぞれの経時的な聴力の変化を評価し、ともに内耳における加齢による老化細胞の蓄積を確認し、老化関連遺伝子の検出をおこない、正常細胞から老化細胞へ移行したことを評価する計画である。また、次に、老化細胞が検出され、聴力低下を認めたマウスに対して老化細胞に選択的細胞死を誘導する活性をもつセノリティック薬を投与する。セノリティック薬投与により内耳の老化細胞が除去されるかを形態学的に確認し、また、聴力が改善するかどうかを検証し、細胞老化と老人性難聴の関連を検討する計画である。また、老化細胞を薬剤投与により除去できる機能を得たトランスジェニックマウスであるP16-3MRマウスにおいても老化細胞除去と聴力との関連を検討する予定である。 今年度は、COVID-19の感染拡大により、本学の新規の動物実験開始が一時できない状況となり、実験開始自体が大幅に遅れた。そのためマウスの受け入れと若年マウスにおける内耳形態の確認までは行うことができたが、老化細胞の検出やセノリティック薬投与、聴力に関するデータの蓄積には至っていない。今後、研究計画に則って、実験を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、学内における実験開始のための手続きが不能な状態になり、実験そのものを開始するのが大幅に遅れた。その後実験を開始することができたため、今後実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画に従って研究を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により研究自体の開始が大幅に遅れたため次年度使用額が生じた。計画の実験を次年度に繰り越して行う予定である。
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