2021 Fiscal Year Research-status Report
Thyroid regeneration with tissue-engineering technique
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20K18287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 康兵 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60535590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 脱細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織工学の手法を用い、脱細胞した臓器(甲状腺以外の臓器も含む)を足場に甲状腺を再生し、培養した濾胞細胞が甲状腺ホルモン産生するか をin vitro、ex vivo、in vivoで確認することである。今後も増え続けると予想される甲状腺機能低下症患者に対する甲状腺の再生医療の礎となる。前述の通 り、これまで生体内での甲状腺の機能再生は報告されていないため独自性が高い。動物の甲状腺を対象とした脱細胞処理、動物およびヒトから採取した甲状腺濾 胞細胞の培養、動物への移植を行う。再生した甲状腺が甲状腺ホルモンを産生するか、移植した再生甲状腺が生着および機能するかを明らかにする。 初年度では脱細胞処理の確立を目標とし、イヌ甲状腺およびその周囲の血管を含む組織を総頸動脈ごと採取し、血管に留置針を留置し、SDS、界面活性剤(TritonX)、生食を36または96時間潅流し、白色半透明になった甲状腺を摘出後、snap frozenもしくはホルマリン固定し適宜保存した。 令和3年度は採取した組織の解析を継続した。HE染色で無核化し、Western Blotでβ-Actinが消失していることを確認できたが、凍結したサンプルを溶解処理した後の比色解析では、dsDNAは潅流時間の延長など条件を変更しても0.7倍程度に減少したのちにそれ以上減少しなかった。一方で、細胞外基質由来タンパクでは、トリクローム染色、VVG染色では膠原線維、弾性線維の温存を、Western Blot、比色解析ではコラーゲンは温存が確認されたが、グルコサミノグルカン、エラスチンなどは減少傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
各種条件にて細胞由来タンパクの減少が横ばいであり、これ以上の脱細胞処理は難しい可能性がある。また、細胞外基質由来タンパクの一部も減少しているため、脱細胞処理の強度を上げることで、既存のコラーゲン培地と変わらない足場になってしまう可能性が懸念された。
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Strategy for Future Research Activity |
条件の変更を再度進めていくか、現在の条件でも甲状腺濾胞細胞の異種移植が生着するかの確認をするか、検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
計画の遅延のため。 脱細胞モデルの作成継続を行う。
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