2022 Fiscal Year Research-status Report
Thyroid regeneration with tissue-engineering technique
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20K18287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 康兵 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60535590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 脱細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織工学の手法を用い、脱細胞した臓器(甲状腺以外の臓器も含む)を足場に甲状腺を再生し、培養した濾胞細胞が甲状腺ホルモン産生するかをin vitro、ex vivo、in vivoで確認することである。動物の甲状腺を対象とした脱細胞処理、動物およびヒトから採取した甲状腺濾胞細胞の培養、動物への移植を行う。再生した甲状腺が甲状腺ホルモンを産生するか、移植した再生甲状腺が生着および機能するかを明らかにする。 令和2年度は脱細胞処理の確立を目標とし、イヌ甲状腺およびその周囲の血管を含む組織を総頸動脈ごと採取し、血管に留置針を留置し、SDS、界面活性剤(TritonX)など、各種条件にて灌流し、白色半透明になった甲状腺を摘出後、snap frozenもしくはホルマリン固定により適宜保存した。 令和3年度は採取した組織の解析を継続した。HE染色で無核化し、Western Blotでβ-Actinが消失していることを確認できたが、凍結したサンプルを溶解処理した後の比色解析では、dsDNAは潅流時間の延長など条件を変更しても0.7倍程度に減少したのちにそれ以上減少しなかった。一方で、細胞外基質由来タンパクでは、トリクローム染色、VVG染色では膠原線維、弾性線維の温存を、Western Blot、比色解析ではコラーゲンは温存が確認されたが、グルコサミノグルカン、エラスチンなどは減少傾向にあった。令和4年度では試薬など条件を調整することで、さらなる脱細胞化や洗浄のプロトコールを検討した。HE染色での無核化や視診上での白色透明化が見られるものの、脱細胞処理の強度を上げるもdsDNAや細胞由来蛋白の減少についてはほぼ変化が見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脱細胞処理に際して、細胞由来タンパクが消失せず、目的が達成できなかった。 そのため細胞培養まで行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
条件の変更を再度進めていく。薬剤の調整だけでなく、サンプルの凍結・融解や高圧・熱処理なども条件に加えることを検討している。また、脱細胞が不十分と思われる状況ではあるが、現在の条件でも甲状腺濾胞細胞の異種移植が生着するかの確認をするか、検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
計画に遅延が生じているが、令和4年度は前年度の試薬を用いた実験であったため支出があまり生じなかった。
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