2021 Fiscal Year Research-status Report
New therapeutic strategy for bilateral palsy of recurrent laryngeal nerves
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20K18291
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
竹本 直樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (80851766)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 両反回神経麻痺 / 神経移植 / 神経再支配 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
反回神経は、呼吸、発声、嚥下といった喉頭機能に非常に重要な神経である。一方で解剖学的要因から障害されやすい。両側に麻痺が及ぶと、声帯の位置により上気道狭窄による呼吸困難や強い嗄声、誤嚥をもたらす。現在の治療はいずれも対症療法であり、根本的治療である反回神経の再生、もしくは喉頭筋への神経再支配といった新規治療法が期待される。当研究では後輪状披裂筋と甲状披裂筋への神経再支配に着目し、ウサギ手術モデルを作成することで声帯の再可動が認められるかを検討している。 日本白ウサギのオスを使用して、喉頭気管周囲の解剖を行い、反回神経や頚神経ワナが同定できることを確認した。両反回神経を切断することで麻痺モデルを作成した。両反回神経麻痺モデルでの喉頭所見を内視鏡で確認した。頚神経ワナを同定して、反回神経断端に神経縫合を試みている。 喉頭機能を評価するにあたり、直接喉頭の状態を確認するために経口的に挿入した喉頭内視鏡を使用した。声門下圧を測定するために、気管切開口から気管チューブを挿入し、内部に圧センサーを通し声門化に留置した。声門下圧を経時的に記録するために、声門下圧と電気刺激、音シグナルを同軸上に記録できるシステムを導入した。反回神経の刺激装置としてカフ電極を使用した。処置前は反回神経刺激により声帯は内転したが、反回神経切断後にはカフ電極刺激で声帯が内転しないことを確認した。発生する音の録音のために、ウサギの口にむけてマイクを置いた。録音した音は音響分析装置にかけて解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による機器の遅延や動物搬入の停止などあったが、現在は解消されており問題なく実験が行える環境が用意された。
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Strategy for Future Research Activity |
両反回神経麻痺を起こしたウサギに対して、複数パターンの神経再支配を施したモデル動物を作成し、2ヶ月飼育後して経過を見る。2ヶ月後、声帯の動きがどうなるか内視鏡で確認し、カフ電極による電気刺激で声帯が可動するかデータを取り比較することを考えている。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナ禍で診療に時間を割いた割合が増えた。その分次年度に実験動物の購入や、消耗品と不足物品を購入し、引き続き研究を続ける計画である。
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Research Products
(3 results)