2020 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of clock genes and associated pathologies in the regulation of allergic rhinitis condition via the activation of Sirtuin1 signalling pathway.
Project/Area Number |
20K18301
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 あや 北海道大学, 大学病院, 医員 (70547653)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 耳鼻咽喉科学 / アレルギー性鼻炎 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性鼻炎の症状には日内変動があり、体内時計により制御されている。また、SIRT1の活性は概日変動を示し、時計遺伝子産物BMAL1を周期的に脱アセチル化して時計遺伝子発現を調節する。近年、SIRT1活性がIL-4やIL-13などのTh2 サイトカイン発現を制御することが報告されており、アレルギー性鼻炎の病態形成およびその症状の日内変動に、SIRT1および時計遺伝子が関与していることが疑われる。本研究では、鼻粘膜の時計遺伝子とSIRT1の発現量を経時的に測定し、Th2 サイトカイン活性から症状の概日変動との関連を評価し、鼻粘膜の概日リズムを維持しながら予防かつ治療を行う新奇治療の確立を目指す。 本年度は、アレルギー性鼻炎患者および対照群における鼻粘膜の時計遺伝子およびsirt1の発現量の概日変動の評価を進めた。まずは、ヒト気道上皮細胞(BEAS-2B)培養株を用いて、各種時計遺伝子発現リズムを測定した。次に、対象者より採取した鼻粘膜を用いて、鼻粘膜上皮細胞(pHNEC)を培養し、BEAS-2Bで安定した概日リズムを認めた時計遺伝子Period (Per) 2, Per3の発現量の継時的な推移(4時間毎で44時間まで)をqPCR法にて測定し、ヒト鼻粘膜細胞の内因性リズムの解析を進めた。当初はpHNECにおける実験系の確立に時間を要したが、現在は安定してリズムを測定でき、対照群のサンプル数は一定数確保できた。しかしながら、コロナ禍の影響もあり、エアロゾル発生リスクの高い鼻科手術、特にアレルギー性鼻炎といった良性疾患の手術数が減少し、患者群のサンプル収集に難渋した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響もあり、対象疾患の手術件数が減少したため、サンプル確保が予想以上に進まなかった。また、当初はアデレード大学耳鼻咽喉科の協力のもとに、Microfluidic PCRでの遺伝子発現量解析を行う予定であったが、実現困難となったためqPCR法に変更となった。これに伴い、サンプル数確保、解析自体に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
良性疾患の鼻科手術再開に伴い、今後サンプル数も増加することが期待される。引き続き、qPCRおよび蛋白定量による鼻粘膜リズムの解析ならびに、組織学的な評価も行なっていく。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響でサンプル収集が難渋したため、それに伴い試薬等の購入も予定通りにならなかった。鼻科手術再開により、今後のサンプル収集が順調に進むと予想され、次年度はその分の購入を検討している。
|