2020 Fiscal Year Research-status Report
α-galcerシートとNKT細胞免疫系を用いたアレルギー性鼻炎の新規治療法
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20K18304
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
栗田 惇也 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (80867268)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / α-garcel / 舌下免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
OVA+Alumをマウス腹腔に投与しOVAモデルマウスを作成後、連日7日間のOVA点鼻を行いアレルギー性鼻炎を発症させた。引き続き連日7日間のOVA舌下投与を行う際にα-Galcer含有フィルムもしくはプラセボフィルムも同時に舌下投与することで、α-Galcer含有フィルムがOVA誘導アレルギー性鼻炎マウスに対する舌下免疫療法の効果を増強するかどうかを検討した。 最終の抗原チャレンジ直後に動画を撮影し、鼻炎症状(くしゃみ、鼻かみ)の回数を第三者によってカウントすることで症状抑制効果を解析した。また頸部リンパ節をホモジナイズし、マウスi-NKT細胞固有のTCRであるVα14のmRNA発現をRT-PCR法にて確認した。しかし実薬フィルム群における症状抑制効果および頸部LN細胞におけるVα14発現は、プラセボフィルム群と比較して明かな差を認めなかった。 一方で未感作モデルマウスと比較して感作モデルマウスでは明らかに鼻炎症状が増強しており、アレルギー性鼻炎は適切に発症させていることが確認できた。 その原因としてフィルム中におけるα-Galcerの安定性が低い可能性が挙げられ、現在改良フィルムを用いた予備検討を施行中である。具体的には、同様のプロトコルでOVA誘導性アレルギー性鼻炎モデルマウスを作成し①プラセボフィルム、②従来のα-Galcer含有フィルム、③改良型のα-Galcer含有フィルムの3群を用いた舌下免疫療法を施行することでフィルムの性能による症状抑制効果およびi-NKT細胞誘導能を比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りα-galcerフィルムを用いた実験を行い新たな課題が発見された。今後も計画通り研究を遂行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず現在行っている改良型α-galcerフィルムを用いた予備検討の解析を行う。その後、改良型フィルムを用いて再度の本実験を行うことでα-galcerフィルムが舌下免疫療法の効果を増強することを確認したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により一部試薬の納品が次年度以降となったためである。これらの試薬は現在行っている実験の解析に使用する予定である。
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