2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K18310
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
當山 昌那 琉球大学, 病院, 専門指導医 (60838275)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 酪酸 / 2型炎症抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
非好酸球性副鼻腔炎の2型自然リンパ球(ILC2)、CD4陽性T細胞(CD4+Tcell)を分離培養し上皮由来サイトカインであるIL-33+TSLP、もしくはIL-33で刺激を行った。刺激により2型炎症性サイトカインの増加を認めたが、同時に酪酸を投与した群では有意に2型炎症性サイトカインであるIL-5、IL-13の産生を抑制した。また、CD19陽性B細胞 を分離しCD40とともに培養することでIgEが増加したが、同時に酪酸を投与した群ではIgE抗体産生が抑制されていた。上皮由来サイトカインで刺激した好酸球性副鼻腔炎患者(ECRS)のPBMC及びポリープに対して、同時に酪酸を投与した群では有意に2型炎症性サイトカインを抑制した。この結果から、酪酸はECRS患者の2型炎症を抑制できる可能性が示され、主に、ILC2、CD4+Tcell、CD19陽性B細胞に作用していることが考えられた。 BALB/cマウスに抗原点鼻を行い、ECRSの鼻炎モデルマウスを作成し、短鎖脂肪酸を点鼻することでその炎症抑制効果を示した。抗原の点鼻投与と同時に短鎖脂肪酸である酪酸、プロピオン酸、酢酸を3日間点鼻投与した結果、酪酸のみが有意に気動上皮組織中の2型炎症性サイトカインを抑制した。また、14日間抗原点鼻したマウスと抗原と酪酸の点鼻によって投与したマウスを組織学的に比較すると酪酸を点鼻 したマウスは好酸球の浸潤が抑制されたことが確認された。また60日間マウスでは酪酸投与群で鼻粘膜上皮のリモデリングを抑制した。 酪酸の作用部位を検討するためにPBMCにGPR41,GPR43のAgonist,Antagonist、HDACのActivator,Inhibitorを酪酸と共に投与した。酪酸はGPR43に作用すること、またはHDACのinhibitorとして作用することで2型炎症を抑制していることが確認された。
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