2020 Fiscal Year Research-status Report
核酸クロマトグラフィーを用いた沖縄版ペンドレッド症候群迅速遺伝子診断法の確立
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20K18316
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
我那覇 章 宮崎大学, 医学部, 准教授 (00347155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核酸クロマトグラフィー / 迅速診断 / ペンドレッド症候群 / 沖縄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アリル特異的PCR法と核酸クロマトグラフィーを組み合わせて、沖縄県のペンドレッド症候群の原因遺伝子変異であるSLC26A4遺伝子のp.H723RとIVS15+5G>A 遺伝子変異を検出できる診断法を開発する。本研究計画は、①SLC26A4遺伝子のp.H723RとIVS15+5G>A変異を検出するアリル特異的PCRプライマーの設計、②Multiplex PCR条件の設定、③最適なDNAタグ配列の探索と核酸クロマトグラフィー展開条件の設定、④プライマーダイマー排除法の検討、⑤末梢血検体からの直接アリル特異的PCRの検討から構成される。 令和2年度においては、前記項目の①から④について、対象となるペンドレッド症候群の40検体および解析対象となる遺伝子変異を認めないコントロール検体を用いた解析により核酸クロマトグラフィーを用いた沖縄版ペンドレッド症候群の診断系を最適化し確立した。また、次年度の研究計画である⑤についても、対象者全血を用いた末梢血からの直接アリル特異的PCRによる診断が可能であることを本研究において確認したが、PCRや核酸クロマトグラフィー展開条件など最適化の必要な未解決部分もあり、今後追加解析予定である。さらに、本研究による沖縄県のペンドレッド症候群の診断法のさらなる低侵襲化と簡便化を目的とし、唾液からの直接アリル特異的PCRと核酸クロマトグラフィーによる診断法についても追加実験により可能であることを確認し、現在PCRや核酸クロマトグラフィー展開条件最適化について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した令和2年度の計画は、① SLC26A4遺伝子のp.H723RとIVS15+5G>A変異を検出するアリル特異的PCRプライマーの設計、② Multiplex PCR条件の設定、③ 最適なDNAタグ配列の探索と核酸クロマトグラフィー展開条件の設定、④ プライマーダイマー排除法の検討の4項目である。いずれも本年度内に実施が終了しており、抽出したgDNAからの核酸クロマトグラフィーとアリル特異的PCRを組み合わせた、簡便、迅速かつ低コストな「沖縄版ペンドレッド症候群迅速遺伝子診断法」は確立している。また、次年度の計画である、⑤末梢血検体からの直接アリル特異的PCRの検討についても既に着手し、可能であることが確認され、今後は診断系の最適化を行う予定である。 以上から概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、末梢血検体に加え、唾液からの直接アリル特異的PCRと核酸クロマトグラフィーを組み合わせた沖縄版ペンドレッド症候群迅速診断法について、PCRや核酸クロマトグラフィー展開条件など最適化の必要な未解決部分について、追加解析により最適化を行う予定である。加えて、新たに開発、発売された核酸クロマトグラフィーストリップの読み取り機 (Papid Scan)を用いたストリップの自動読み取り、自動診断についても追加実施する方策であるとともに、現在、これまでの成果について論文投稿準備中である。
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Causes of Carryover |
購入試薬類価格の関係上、少額の次年度使用が生じた。
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Research Products
(2 results)