2020 Fiscal Year Research-status Report
マイクロパルス毛様体光凝固術の作用機序及び予後因子の解明
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20K18334
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
國分 太貴 東北大学, 大学病院, 助教 (30646443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エネルギー / 眼圧 / 前房フレア / 強膜厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
黒色家兎(ダッチ種)を用いてマイクロパルス波経強膜毛様体光凝固術の適切なレーザーパワー設定を検証した。レーザーパワーを250mW、500mW、750mWに割り振って術前、術後3日、術後7日に眼圧、前房フレア、前眼部光干渉断層計検査を施行した。また術後7日に眼球を摘出し、組織切片を作成しコラーゲン染色(Elastica-Masson(EM)染色)、マクロファージやリンパ球などの炎症細胞の免疫染色(CD4、CD68)を行い照射部位近傍の組織を観察した。また黒色家兎の摘出眼球から強膜組織のみを切除分離し、レーザー照射時に強膜を透過するエネルギー量が強膜厚に応じてどの程度変化するかをEx vivoで検証した。 結果、家兎では500mW以上でレーザーパワーに比例して眼圧下降効果が得られ、組織切片において毛様体の肥厚が認められた。750mWでは、一過性の前房炎症及び無色素上皮層の軽微な変化が認められた。またレーザー照射眼で毛様体を含む組織の肥厚と狭隅角化が認められた。以上よりレーザー照射時のエネルギーによって眼圧下降や組織破壊程度が異なることを確認できた。 更にレーザー照射時の毛様体に伝播する光エネルギーが強膜厚によって変化するかの検証については、強膜厚が厚いほど毛様体へのエネルギー深達が低下した。強膜厚によって毛様体へ伝播するエネルギー量は変化し強膜厚の変化量に応じてどの程度エネルギー深達量が変化するかが確認できたことで、強膜厚からマイクロパルス波経強膜毛様体光凝固術の適切なレーザーパワーを算出する予測式をex vivoの実験から作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー照射時のエネルギーによって眼圧下降や組織破壊程度が異なることを確認できたこと。また強膜厚によって毛様体へ伝播するエネルギー量は変化し強膜厚の変化量に応じてどの程度エネルギー深達量が変化するかも確認できたこと。強膜厚からマイクロパルス波経強膜毛様体光凝固術の適切なレーザーパワーを算出する予測式をex vivoの実験から作成することができたこと。上記いずれも研究年次計画の2020年の実験項目に該当する内容であり、予定通り実験遂行することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
家兎に従来のレーザー毛様体光凝固術またはマイクロパルス波経強膜毛様体光凝固術を行い、眼圧測定、前眼部所見の観察及びレーザーフレアメーターの計測を経時的に行い術後複数の時点で眼球摘出し組織切片を作成しコラーゲン染色(EM染色など)、マクロファージやリンパ球などの炎症細胞の免疫染色などを行い、コラーゲン組織構造の変化や炎症細胞数の変化を評価する。これにより従来のレーザー毛様体光凝固術 とマイクロパルス毛様体光凝固術の組織への影響の違いを評価することで、その作用機序を考察する。またマイクロパルス波経強膜毛様体光凝固術に用いるレーザープローブの最適な形状についても考察する。
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Causes of Carryover |
実験使用のための動物購入数が予定よりも少なく済んだたため、初年度は予定よりも低い研究費用だった。次年度にも動物実験を予定しているため、その購入費用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)